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「類焼〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

類焼の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
いて、大晦日《おおみそか》の晩に縁の下へ投げ込んで置くと、その翌年は自火は勿論、類焼の難にも逢わないと伝えられて、今でもその呪禁をする者がある。おそらく龍が水を....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
、二、三町先がもういつの間にか燃えているので、前後をつつまれて逃げ場をうしなった類焼者は、風と火に追いやられて海辺の方へよんどころなく逃げあつまると、その頭の上....
生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
絶えず君たちの心を重苦しく押しつけた。家から火事を出すとか、家から出さないまでも類焼の災難にあうとか、持ち船が沈んでしまうとか、働き盛りの兄上が死病に取りつかれ....
支倉事件」より 著者:甲賀三郎
ましてね」 彼の云う所によると、火事は支倉の家を半焼にしてすみ、彼の家は幸いに類焼を免れたのだったが、原因が放火だというので、思いがけなくも彼が嫌疑を受けて、....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
のあとをうけて馬籠の宿もちょうど復興の最中であった。幸いに彼の家や隣家の伏見屋は類焼をまぬかれたが、町の向こう側はすっかり焼けて、まっ先に普請のできた問屋九太夫....
」より 著者:海野十三
、私が高層気象研究所の北鳴です。こんどは御両親が飛んだことで。……それに貴方も、類焼の難に遭われたとかで、なんともはや……」 この静かな挨拶に、英三とても自ら....
母への追慕」より 著者:上村松園
、隣りから火が出て私の家も丸焼けとなってしまった。 何ひとつ運び出すひまもなく類焼の災にあってしまったのであるが、苦心して描いた縮図や絵の参考品も失ってしまっ....
心霊殺人事件」より 著者:坂口安吾
だ。 次女のミドリは岸井という旅館の倅にお嫁入りしているが、先年の熱海の大火で類焼した。そのとき復興の資金を借りにミドリの舅が泣きついたとき、金貸しが商売だか....
塩原多助一代記」より 著者:三遊亭円朝
の死骸を藁屋に匿し火葬に致しましたが、茅屋ゆえ忽ちに燃え広がり母屋へ移り、残らず類焼する。此の紛れに丹治はおかめの手を取って須川へ出て、それより大戸村へ出て、そ....
恨みの蠑螺」より 著者:岡本綺堂
いうので、三人は他の人たちと同じように見てあるいた。八幡の本社はこの二月の火事に類焼して、雪の下の町もまだ焼け跡の整理が届かないのであるが、江の島開帳を当て込み....
あのころ」より 著者:上村松園
とも言って有名な蛤御門の変で、隣の家へ落ちた大砲の弾から火事を起こし、その質蔵も類焼し、一家は生命からがら伏見の親類へ避難したのでした。 そのときは母の仲子は....
父の怪談」より 著者:岡本綺堂
れからふた月ほど経って、この二合半坂に火事があって十軒ほども焼けた。わたしの家は類焼の難を免かれなかった。 その頃はその辺にあき家が多かったので、わたしの一家....
明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
った。二十六年の一月二十二日午後三時三十分に浅草の西鳥越町から出火して、鳥越座も類焼した。鳥越座は旧の中村座である。近年とかくに客足が付かなくなって経営困難であ....
明治演劇年表」より 著者:岡本綺堂
俗を察すべし。 ○十一月二十九日、日本橋区数寄屋町より失火して、中橋座も新富座も類焼す。 ○十二月三十一日、浅草区馬道八丁目より出火して、中村座も村山座も類焼す....
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)」より 著者:三遊亭円朝
ました。或は飛火がしたのではない、吉原からも出たのだと申します。此の火事で吉原が類焼したために、深川に仮宅が出来ましたから、深川の賑いは実に大したことで、小さい....