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顧
「顧〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
顧の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「英雄の器」より 著者:芥川竜之介
う》のような学者は、どう云われるか知らんですが。」
呂馬通は、得意そうに左右を
顧みながら、しばらく口をとざした。彼の論議が、もっともだと思われたのであろう。一....
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
批評眼にかけて、綿密に点検した。そうして、それが、いかなる点から考えてみても、一
顧の価のない愚論だという事実を、即座に証明することが出来た。が、それにもかかわら....
「疑惑」より 著者:芥川竜之介
ようはございませんが、ちと折入って先生に御願い申したい儀がございまして、失礼をも
顧ず、参上致したような次第でございます。」
ようやく最初のショックから恢復した....
「じゅりあの・吉助」より 著者:芥川竜之介
人娘の兼《かね》と云う女に懸想《けそう》をした。兼は勿論この下男の恋慕の心などは
顧みなかった。のみならず人の悪い朋輩は、早くもそれに気がつくと、いよいよ彼を嘲弄....
「河童」より 著者:芥川竜之介
)と答えました。
「では百人の凡人のために甘んじてひとりの天才を犠牲にすることも
顧みないはずだ。」
「では君は何主義者だ? だれかトック君の信条は無政府主義だと....
「煙管」より 著者:芥川竜之介
を防ごうと云うのなら、真鍮《しんちゅう》を用いるのに越した事はない。今更体面を、
顧慮する如きは、姑息《こそく》の見《けん》であると云う。――二人は、各々、自説を....
「或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
こちらへつれて来などはしなかったのに相違ない。所が、万事にまめな彼は、忠左衛門を
顧《かえりみ》て、「伝右衛門殿をよんで来ましょう。」とか何とか云うと、早速隔ての....
「少年」より 著者:芥川竜之介
「坊ちゃん、これを御存知ですか?」
つうや(保吉は彼女をこう呼んでいた)は彼を
顧みながら、人通りの少い道の上を指《ゆびさ》した。土埃《つちほこり》の乾いた道の....
「将軍」より 著者:芥川竜之介
ょう》に敷瓦を見つめていた。
「そんな事だろうと思っていた。」
将軍は旅団長を
顧みながら、得意そうに微笑を洩《もら》した。
「しかし靴とはまた考えたものですね....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
るに足りない。恐れるのは煽動家《せんどうか》の雄弁である。武后《ぶこう》は人天を
顧みず、冷然と正義を蹂躙《じゅうりん》した。しかし李敬業《りけいぎょう》の乱に当....
「秋山図」より 著者:芥川竜之介
らい活《い》きているかわかりません」
今まで黙っていた廉州先生は、王氏のほうを
顧《かえり》みると、いちいち画の佳所《かしょ》を指さしながら、盛《さかん》に感歎....
「佐藤春夫氏の事」より 著者:芥川竜之介
満足せしむる限り、乃木大将を崇拝する事を辞せざると同時に、大石内蔵助を撲殺するも
顧る所にあらず。佐藤の一身、詩仏と詩魔とを併せ蔵すと云うも可なり。 四、佐藤の....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
極楽の荘厳の如く恍然として東西を弁ぜず、乱雑して人語を明らめがたし。我自ら我身を
顧りみれば孑然として小虫の如く、車夫に罵しられ馬丁に叱られ右に避け左にかがまりて....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
であることが必要であると同時に多少文才のあることを要する。悲しいかな、著者は自ら
顧みて、決してこの二つの条件を備えておるとは思わない。ただ最初の試みをするのみで....
「狂人日記」より 著者:秋田滋
の打ちどころのないその生涯は、フランス中の裁判所の評判になった。弁護士、若い法律
顧問、判事たちも、二つの凹んだ眼が光っている彼の痩せた顔に、大きな敬意を表するた....