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「顧客〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

顧客の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ろう。わたしはそれを訊きに来たのだ」 「お前さんのお言葉ですが、まったく同商売の顧客争いというようなことから、双方の親たちのあいだが面白く参りませんので……」と....
巴里の唄うたい」より 著者:岡本かの子
大立物だ。しかし彼女の芸質がルンペン性を通じて人間を把握しているものだけに彼女の顧客の範囲は割合に狭い。狭いが深い。 ミスタンゲットを取り去ってもミスタンゲッ....
一週一夜物語」より 著者:小栗虫太郎
ちろん僕は雑貨掛りのほうであった。 ところが、大正十年十一月九日、年に一度は、顧客廻りに出かけるジェソップ氏の伴をして、はじめて北回帰線を越えカルカッタに上陸....
決闘場」より 著者:岡本かの子
の憎悪が表面切って燃え立った。 ジョーンの父は庭師であった。近頃では彼の父のお顧客はロンドンの西郊の方にばかり殖えた。欧洲の何処の都会でもそうであるように、ロ....
バットクラス」より 著者:岡本かの子
髪師「マダム・H」のサロンから夫人が覚えて来たものである。「美髪師マダム・H」は顧客の引付策としてスワンソン夫人始めロンドンの But クラス婦人達を招いて毎週....
河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
相伝えて、外国の註文が少くない。 ただ、ここに不思議な事がある。一度手に入れた顧客、また持ぬしが、人づてに、あるいは自分に、一度必ず品を返す。――返して、礼を....
当今の劇壇をこのままに」より 著者:岡本綺堂
固ってしまうだろうし、歌舞伎座幹部連もいずれも年配で、先が見えている、大器晩成と顧客がいう栄三郎もチト怪しいものである。もっとも今の羽左衛門が家橘といった頃は拙....
」より 著者:カフカフランツ
ったく本気でいいました。りこうな人で、好機を利用することを心得ていたんですわ。お顧客の人たちがやってきて、父の倉庫で自分の靴を探し出します。修理のためにそこに置....
審判」より 著者:カフカフランツ
うもないんです。自分の小使がいるし、外線と社内との電話が眼の前の机の上にあるし、顧客や行員がひっきりなしにやってきます。そのうえ、何よりも肝心なことですが、銀行....
判決」より 著者:カフカフランツ
分の力をわしに与えてくれたのだ。お前の友だちとおれは心から結ばれているし、お前の顧客の名前はこのポケットのなかに入っているんだぞ!」 「シャツにさえポケットをつ....
書を愛して書を持たず」より 著者:小川未明
版は、資本主義機構上の企業であり、商業であり、商品であり、また今日の如く、大衆を顧客とするには、著者の趣味如何にかゝわらず、粗製濫造も仕方のないことになるのです....
賤民概説」より 著者:喜田貞吉
きて行く。これすなわちホカイ人である。しかしただ口先で祝言を述べただけでは、長く顧客の心をつなぎ難きが為に、彼らも次第に工夫を加え、声に抑揚曲節をつけ、楽器を用....
融和促進」より 著者:喜田貞吉
にその営業を継続するとする。それが先祖以来の慣れた営業でなかったならば、ほとんど顧客を得ることができないのです。ここに至っては事実上、住居と営業との自由を奪われ....
日本料理の要点」より 著者:北大路魯山人
料理屋において、この季節ものをもって、得たり顔に使うとしようか、決して思うように顧客の歓心を買い得るような効果は上がらないのである。季節、季節と、口やかましく言....
芝、麻布」より 著者:小山内薫
の発見者は、旧白馬会の人達ではなかったかと思う。和田英作氏や岡田三郎助などが早い顧客であったことは確かである。西洋人のところでまなんだという主人のフランス料理が....