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顰み
「顰み〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
顰みの前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「血の文字」より 著者:黒岩涙香
を用い目科の返事を釣出さんと試むれど彼れ今までとは別人の如く其唇固く閉じ其眉半ば
顰みたるまゝにて言葉を発せず其様深く心に思う所ありて余が言葉の通ぜぬに似たり、彼....
「仮装人物」より 著者:徳田秋声
けて、彼を辟易させることがあるかと思うと、北の国の憂鬱な潮の音や、時雨らんだ山の
顰みにも似た暗さ嶮しさで、彼を苛つかせることもあり、現実には疎い文学少女でありな....
「小説 不如帰 」より 著者:徳冨蘆花
折戸あけて浜に出でぬ。 空は曇りぬ。秋ながらうっとりと雲立ち迷い、海はまっ黒に
顰みたり。大気は恐ろしく静まりて、一陣の風なく、一|波だに動かず、見渡す限り海に....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
めてもの心ゆかしでござりますよ。」 とかごとがましい口ぶりだったが、柔和な顔に
顰みも見えず、温順に莞爾して、 「御新造様がおありなさりますれば、御坊様にも一か....
「学問のすすめ」より 著者:福沢諭吉
り。 支那の諺に、「西施《せいし》の顰《ひそ》みに倣う」ということあり。美人の
顰みはその
顰みの間におのずから趣ありしがゆえにこれに倣いしことなればいまだ深く咎....
「誓之巻」より 著者:泉鏡花
せんか。」 一しきり、また凩の戸にさわりて、ミリヤアドの顔|蒼ざめぬ。その眉|
顰み、唇ふるいて、苦痛を忍び瞼を閉じしが、十分時過ぎつと思うに、ふとまた明らかに....