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風の子
「風の子〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
風の子の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「たき火」より 著者:国木田独歩
ゆく。 ある年の十二月末つ方、年は迫《せま》れども童《わらべ》はいつも気楽なる
風の子、十三歳を頭《かしら》に、九ツまでくらいが七八人、砂山の麓《ふもと》に集ま....
「新生」より 著者:島崎藤村
ねた。黒い上衣《うわぎ》に短い半ズボンを穿《は》いて脛《すね》をあらわした仏蘭西
風の子供の風俗は、国の方で見るものとは似てもつかないようなものばかりだ。でも岸本....
「新版 放浪記」より 著者:林芙美子
ったけれど、又、簿記をつけさせるのかしら、でも、沢山の応募者達を見ると、当分私は
風の子供だ。
明石《あかし》の女もメリンスの女も、一歩外に出ると、睨《にら》み....
「暗黒公使」より 著者:夢野久作
頷いたまま、又一心に切符を勘定し初めた。その時にそこいらに立っていた二三人の丁稚
風の子供が、その西洋人と絵看板を見比べて、 「スタチオだ……スタチオだ……」 ....
「クララ」より 著者:林芙美子
が動いているし、むつの赤茶けた髮の毛まで右の頬へ風で吹きたおされて來ます。むつは
風の子を兩手でぴしゃぴしゃ叩いてやりました。だが、風は眼には見えないので、すぐひ....
「ジーキル博士とハイド氏の怪事件」より 著者:佐々木直次郎
――― 神が結んだ紲《きずな》は解かぬがよい。 わたしたちはやはりあのヒースと
風の子でありたい。 ふるさと遠く離れていても、おお、あれもまたあなたとわたしのた....
「わが戦争に対処せる工夫の数々」より 著者:坂口安吾
上野公園で浮浪児になつても、めつたなことで同僚のおくれをとらない程度に、男の子は
風の子といふのかな、そんな風に考へれば、まア、私も立派な男の子になつたのだらう。....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
ょッとした驚きの反動がむかっと、その顔に筋を立てて、
「なんだ汝は。もの貰いか。
風の子か。――武蔵様なんて、そんな者は、いねえいねえ、宵の口から暖簾先へ、うす汚....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
火が見えているので、もう帰り途の見当はついている。彼は、大蔵とちがう道をえらんで
風の子みたいに丘から駈けだした。 何喰わぬ顔をして、旅籠の二階へあがり、自分た....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
は、あの子はいったい、何処へ行っちまったんでしょう」 「伊織か」 「いくら子供は
風の子だって、まさか夜どおし、駆け歩いているわけでもないでしょうに」 「心配はな....
「雲霧閻魔帳」より 著者:吉川英治
にくそだの、味噌っぱだの、頬も手も、かじかんでる癖に、寒さを知らない伊吹山の麓の
風の子たちが、 「地蔵様へ、花|供げろ。――地蔵様へ、花供げろ」 と、道ばたの....