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風体
「風体〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
風体の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
柄《がら》だけに門並《かどな》みきれいに掃除されて、打ち水をした上を、気のきいた
風体《ふうてい》の男女が忙しそうに往《ゆ》き来《き》していた。葉子は抜け毛の丸め....
「或る女」より 著者:有島武郎
二人を塾につれて行った時の様子を想像してみた。例のようにどこの玄関番かと思われる
風体《ふうてい》をして、髪を刈る時のほか剃《す》らない顎《あご》ひげを一二|分《....
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
が? ふうむ。ずいぶん遣《や》りかねますまいよ」 「その晩橋場の交番の前を怪しい
風体のやつが通ったので、巡査が咎《とが》めるとこそこそ遁《に》げ出したから、こい....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
、打たれ損の形だったんだね。お聞きなさい――貴娘。 証拠は無かったが、怪むべき
風体の奴だから、その筋の係が、其奴を附廻して、同じ夜の午前二時頃に、浅草橋辺で、....
「夜叉ヶ池」より 著者:泉鏡花
無代価では心苦しい。ずばりと余計なら黙っても差置きますが、旅空なり、御覧の通りの
風体。ちゃんと云うて取って下さい。 百合 そうまでお気が済みませんなら、少々お代....
「第二菎蒻本」より 著者:泉鏡花
方。」と金壺眼はいよいよ光った。 「それじゃまた来ましょう。」 「まあ、貴方。」
風体を見定めたか、慌しく土間へ片足を下ろして、 「直きに帰りますから、まあ、お上....
「開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
。」 と片袖をわざと顔にあてて俯向いた、襟が白い、が白粉まだらで。…… 「……
風体を、ごらんなさいよ。ピイと吹けば瞽女さあね。」 と仰向けに目をぐっと瞑り、....
「阿Q正伝」より 著者:井上紅梅
、阿Qは臂を丸出しにして(支那チョッキをじかに一枚著ている)無性臭い見すぼらしい
風体で、お爺さんの前に立っていた。はたの者はこの話を本気にせず、やっぱりひやかし....
「孔乙己」より 著者:井上紅梅
櫃台の下の閾の上に孔乙己が坐っている。顔が瘠せて黒くなり何とも言われぬ見窄らしい
風体で、破れ袷一枚著て両膝を曲げ、腰にアンペラを敷いて、肩から縄で吊りかけてある....
「風波」より 著者:井上紅梅
どということまで知っている。革命以後、辮子を頭のてッぺんに巻き込んで道士のような
風体をしていたが「もし趙子龍が世に在らば、天下はこれほどまでに乱れはしない」とい....
「取舵」より 著者:泉鏡花
に叩頭きたり。 学生は渠が余りに礼の厚きを訝りて、 「うむ、便所かい。」とその
風体を眺めたりしが、 「ああ、お前|様不自由なんだね。」 かくと聞くより、盲人....
「沼畔小話集」より 著者:犬田卯
呂敷包み一個を所持しているのみであった。(この話は初秋に起った)が、別にそうした
風体を気にかけるでもなく、悠々迫らざる態度で、いかにも貴族らしい挨拶をするのであ....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
うです言種は、前かど博徒の人殺兇状持の挨拶というもんです。それでなくッてさいこの
風体なんですもの、懐手でぬッと入りゃ、真昼中でもねえ先生、気の弱い田舎なんざ、一....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
りかね。」 「や、まだ台函に、お包が、」とすッ飛んで取りに駆けたは、火の玉小僧の
風体に大分怯えているらしい。 「酷いや、お嬢|様、見っともねえや。こんなものをさ....
「活人形」より 著者:泉鏡花
みて、表面にますます容体を飾り、「ははあ、御奇特の事じゃ、聞く処では年齢と言い、
風体と言い、全く僕が尋ねる令嬢に違いない。いや、追ってその許に、恩賞の御沙汰これ....