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風俗小説
「風俗小説〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
風俗小説の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「世相」より 著者:織田作之助
屍体が横たわっているという風景も、昨日今日もはや月並みな感覚に過ぎない。老大家の
風俗小説らしく昔の夢を追うてみたところで、現代の時代感覚とのズレは如何ともし難く....
「今日の文学の鳥瞰図」より 著者:宮本百合子
の伝統と計らずも微妙な結合を遂げ、今日一部の作家に見られる些末的な、或は批判なき
風俗小説を生むに至っている。散文精神という言葉はこれらの作家達によって言われてい....
「今日の文学の展望」より 著者:宮本百合子
るであろう。畢竟バルザックは当時一風潮としてきざしはじめた人生批判なき市井生活の
風俗小説の傾向によって読まれたにすぎず、ドストイェフスキーは不幸な再登場によって....
「現実と文学」より 著者:宮本百合子
れず、どちらかと云うと、現実の反映としての小説をより見たことは、散文精神が、市井
風俗小説を多産するに至ったことで裏づけられている。 先達てうち、再び散文精神と....
「昭和の十四年間」より 著者:宮本百合子
ろを明確にし得ない時代の本質を骨格のうちに分けもっているために作品の実際に当って
風俗小説以上に作品の世界を高めることは困難であった。この時期に現れた永井荷風の「....
「婦人と文学」より 著者:宮本百合子
来ている。 花圃の「藪の鶯」は当時として新しいものであったかもしれないが一種の
風俗小説で、芸術としての美、詩情の美は、旧来の日本の女の最後の代表者ともいうべき....
「五〇年代の文学とそこにある問題」より 著者:宮本百合子
ほめられたものでしたが、今は大臣以上ですからね、大きな声を出しさえすれば……。」
風俗小説が、その世相複写の一定の限界に達してくれば、それらの作者の生活範囲での種....
「文学と生活」より 著者:宮本百合子
りつかむ創作方法を、という要求も起る。日本のジャーナリズム小説の大半を占めている
風俗小説――中間小説とよばれている作品の作者たちは、戦後の日本のどっちを見てもバ....
「日本の青春」より 著者:宮本百合子
れと嫉妬のまじりあったような風潮も、青春の敏感な自意識をむしばみつつある。卑俗な
風俗小説のほとんどすべてが、読者の好奇をそそるために、闇の世界とえせの貴族趣味と....
「「下じき」の問題」より 著者:宮本百合子
なかった。なぜあれは、もちつづけてゆけなかったのだろうか。 いわゆる肉体小説、
風俗小説の作者から、共産党員である作家・批評家までを包括して持たれる懇談会は、た....
「『健康会議』創作選評」より 著者:宮本百合子
こしあとの方の文章と、どこかちがって来ているのは、どうしてだったろう。後半いまの
風俗小説風の世相が女主人公の生活にふれて来てから、最後のむすびに到る間に、作者は....
「婦人作家」より 著者:宮本百合子
はじめた。池田みち子が婦人の肉体派の作家として登場した。丹羽文雄、石川達三などは
風俗小説をとなえて、戦後の混乱した現実を写してゆく文学を主張した。けれども肉体の....
「認識論とは何か」より 著者:戸坂潤
、認識という観念だ。 文学的認識に於ける風俗の役割は、よく注目されている。だが
風俗小説などと呼んで片づけられる場合には、風俗はつまり文学的認識の内容として重ん....
「歴史と文学」より 著者:宮本百合子
中に見出してだけ行ったとすれば、もう其は歴史文学とは云えず、単に過去を題材とした
風俗小説になってしまうだろう。歴史文学の歴史文学たる所以は、風俗や諸現象の底にあ....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
つくりものと云うのですが、作品との関係では云うこともないが、そこに彼の散文精神の
風俗小説的限度があるのです。人間感情のリアリティーとして思意的なものがあることが....