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「風光〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

風光の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
西湖の屍人」より 著者:海野十三
えます」 漢青年は、気がつくと、いつの間にか窓辺によっていた。そこから、西湖の風光が懐しく彼の心を打った。こうして、漢青年の幻想生活が始まった。 彼は、思い....
闖入者」より 著者:大阪圭吉
かり鬱ぎ込んでしまったのでしょう。けれども目的地に着いて、この地方の美しい夕方の風光に接すると、画家らしい情熱が涌き上って来て、心中の疑問も暫く忘れることが出来....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
という昔の人の聡明に驚かざるを得ない。ここには限らず、古来著名の神社仏閣が多くは風光|明媚の地、もしくは山谷嶮峻の地を相して建てられていると云う意味を、今更のよ....
小田原陣」より 著者:菊池寛
じけた将軍の行列なんかには到底見られぬ図であろう。 その上途中に展ける東海道の風光が、生れて始めて見るだけにひどく心を愉しませたらしい。清見寺から三保の松原を....
戦時旅行鞄」より 著者:海野十三
と、王水険博士は、大秘密を洩らして居られる。金博士にしては、かねがねその土地の風光のいいことも聞いていたので、一度はいってみたいと思っていた。そこへ旧師からの....
崩れる鬼影」より 著者:海野十三
の夜だったことをハッキリと後悔しました。せめて月が無ければ、こんなにまで荒涼たる風光に戦慄することはなかったでしょう。 一体なにごとが起ったのでしょう? ....
夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
求めても好い。その執著の窟戸を折々開けて、新機運に促されつつ進展して行く人の世の風光を心ゆくばかり打眺めて佇んでいる姿がある。暁の夢にその面影を見かけたといった....
秋の筑波山」より 著者:大町桂月
く南に延び、その尽くる処を知らず、東の方二三里を隔てて、筑波の積翠を天半に仰ぐ。風光の美、既に人をして去る能はざらしむるに、忠魂長く留まれる処、山河更に威霊を添....
沼畔小話集」より 著者:犬田卯
ませんよ。」 男爵は、だから「画家」として世に立つべく修業し、写生旅行に、この風光明媚の沼岸へやって来たというのであった。 M教師は酒肴を出しつつ、 「はア....
余齢初旅」より 著者:上村松園
突き合いもせずおとなしくのんびりと歩いている。女の子が一人だけついていてのどかな風光であった。 時には驢馬が通り過ぎてみたり、豚が行列して沢山やって来たりする....
西航日録」より 著者:井上円了
て本船に至る。当夜四面雲晴れ、明月天に懸かり、波間の清数点の船灯と相映じ、湾内の風光筆紙のよく尽くすところにあらず。余、船中にありて「阜頭明月情如満、不照江山照....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
が軍艦五隻入港す。 四日、晴れ。北風強くして冬のごとし。午後四時抜錨す。内海の風光を夢裏に看過して門司に向かう。 五日、晴れ。午前十一時、門司に入港す。午後....
彼等流浪す」より 著者:小川未明
ンズによって、永久に芸術に生かされている。 北方派の画家等にして、南欧の明るい風光に、一たび浴さんとしないものはない。彼等は、仏蘭西に行き、伊太利に行くを常と....
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
になってしまうでしょう。 松や桜や、梅や竹や、その百木千草の変化があって自然の風光が面白いように、人間に好き嫌いの気持ちの陰影があってこそ、むしろ人々の変化や....
早稲田神楽坂」より 著者:加能作次郎
で、東電変圧所の赤煉瓦の建物が、その田圃の真中にただ一つぽつんと、あたりの田園的風光と不調和に、寂しくしかも物々しく立っているのみで、蛙の声が下宿屋の窓に手に取....