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風前
「風前〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
風前の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
と云う二足の獣は何と云う情けない動物であろう。我我は文明を失ったが最後、それこそ
風前の灯火のように覚束《おぼつか》ない命を守らなければならぬ。見給え。鳥はもう静....
「恐怖の口笛」より 著者:海野十三
い。――妖女はいつの間にか、この荒れ果てた部屋から姿を消してしまった。 かくて
風前の灯のように危かった青竜王の生命は、僅かに死の一歩手前で助かった。 大....
「蠅男」より 著者:海野十三
こを縄ばりとする仲間の誰彼と、緊密な連絡をとっていたものらしい。 帆村はいまや
風前の灯であった。お竜がこの上グッと手に力を入れるか、それとも蠅男が砂の中から飛....
「地球盗難」より 著者:海野十三
何なる異変が発生することであろうか。博士の実験の材料に成りさがった大隅の運命は、
風前の灯だった。丁度そのときだった。 ジリジリジリジリジリン。 と、けたたまし....
「少年探偵長」より 著者:海野十三
彼の足は、すでに崖の端を離れた。宙にうかんだ彼の身体! ああ、机博士の生命は
風前の灯同様である。死ぬか、この変り者の悪党博士? それとも悪運強く生の断崖にぶ....
「怪星ガン」より 著者:海野十三
士以下の救援隊の首脳部の心の痛みは、災害をちょくせつに身にうけてその生命もいまや
風前の灯火どうようの第六号艇の乗組員三十名よりも、ずっとふかく大きかった。 テ....
「爆薬の花籠」より 著者:海野十三
トラ十は、ピストルの狙いを定めた。 帆村の命は、乱暴者のトラ十の前に、今や
風前の灯同様である。彼の命と、貴重なX塗料とが同時に失われそうになってきた。 「....
「怪塔王」より 著者:海野十三
に腹匐いになっている帆村探偵をみつけました。 もう駄目です。帆村探偵の一命は、
風前の灯火も同様です。殺人光線が帆村の方にむけられ、そしてボタンがおされると、も....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
二人の隠れ場所は安全となったが、それは一時のことである。彼等の運命は、依然として
風前の灯であった。 だが日東男児は、いかなる危険をも恐れない。いかなる艱難も、....
「流線間諜」より 著者:海野十三
いに起立した。「赤毛のゴリラ」の顔は見る見る土のように色褪せていった。ああ生命は
風前の灯である。 「宣告、――君は『狐の巣』の監督を怠り、重大なる材料を流出させ....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
しまった。※牛をつらねたながい行列を、折竹らは大岸壁のうえからながめている。季節
風前によくあるクッキリと晴れた日で、氷河の空洞のほんのりとした水色や森のように林....
「沙漠の古都」より 著者:国枝史郎
時老人は感慨をこめて杜荀鶴の詩を微吟した。 「利門名路両ナガラ何ゾ憑ラン、百歳ハ
風前短焔ノ燈、只恐ラクハ僧ト為テ心了セザルコトヲ、僧ト為テ心了セバ総テ僧ニ輸セン....
「活人形」より 著者:泉鏡花
寸鉄も帯びず。相対して戦わば利無きこと必定なり。とあって捕吏を招集せんか、下枝は
風前の燈の、非道の刃にゆらぐ魂の緒、絶えんは半時を越すべからず。よしや下枝を救い....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
そばだたせる。無線電信が通信を寄せてきたのである。) 十四日(日曜)、晴れ。勁
風前日に異ならずして、高浪一層はなはだしく、船縦動を継続す。ただし、幸いに天遠く....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
ラウドンと衝突、適切機敏なる指揮に依りこれを撃破した。 リーグニッツの不期戦は
風前の灯火の感あった大王を救った。大王は一部をもって露軍を監視、主力をもってダウ....