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「風呂桶〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

風呂桶の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
親子」より 著者:有島武郎
を吐き出した。内儀さんは座にたえないほどぎごちない思いをしているらしかった。 「風呂桶をしかえたな」 父は箸を取り上げる前に、監督をまともに見てこう詰るように....
深夜の市長」より 著者:海野十三
このような妙齢の娘が結構商売をしているのだ。 番が廻って来て、僕の受取った丼は風呂桶のように熱かった。フウフウ吹きながら箸を搬んでいるうちに、身体も魂も自分の....
白蛇の死」より 著者:海野十三
処の工場でもそうであるが、夕方になるとボイラーから排出される多量な温湯が庭の隅の風呂桶へ引かれて、そこで職工達の一日の汗を流すことになっている。その鉄砲風呂の中....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
、やはり据風呂を買おうかと思っている。そこでまた宿無しが一句うかんだ。 宿無しが風呂桶を買ふ暑さ哉 (大正13・7「読売新聞」) 郊外生活の一年 震災以来、諸....
千曲川のスケッチ」より 著者:島崎藤村
。娘が一人で馬に乗って、暗い夜道を平気で通る程の、荒い質朴な人達が住むところだ。風呂桶が下水の溜の上に設けてあるということは――いかにこの辺の人達が骨の折れる生....
」より 著者:島崎藤村
村に関する書籍の入れてあるのも私の目についた。 その日は私は新しい木の香のする風呂桶に身を浸して、わずかに旅の疲れを忘れた。私は山家らしい炉ばたで婆さんたちの....
鞄らしくない鞄」より 著者:海野十三
様のよけいなことをしたのに発している。こんな鞄が何に役立つ。この材木は一体何だ。風呂桶《ふろおけ》の下で燃すのが精一杯の値打だ」 「そんな筈はないんですがなあ。....
ジロリの女」より 著者:坂口安吾
。そんな風に腹をたてると、たゞはキゲンを直してくれず、もう冬近いころだというのに風呂桶にマンマンと冷水をみたして、私にはいれ、というのであった。そして私がふるえ....
夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
いうのはこうである。鶴見はそれが夏時分であったということを先ず憶い起す。自家用の風呂桶が損じたので、直しに出しているあいだ、汗を流しにちょくちょく町の銭湯に行っ....
戯作者」より 著者:国枝史郎
界へ現われたのは馬琴にとっては容易ならない競争相手といってよかろう。 物を云う据風呂桶 それはある年の大晦日、しかも夕暮のことであったが、新しい草双紙の腹案を....
明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
来たような気がしないという因果な性分になった。 遠い海まで泳ぎに行けないから、風呂桶に水をみたして冷水浴をする。東京の水道の水は生ぬるくて冷水浴の喜びは味えな....
屋根裏の犯人」より 著者:坂口安吾
の効用を利用することができます。 妙庵先生が伊勢屋へ参りますと、店さきの土間に風呂桶をすえて、源兵衛さんの母親が釜たきをしている。風呂桶は年に一度しか使わない....
髭の謎」より 著者:小酒井不木
「そうだよ。両端を鋏で切った毛は生きた人間には生えていないよ。……さあ、これから風呂桶についていた血痕を検べてくれ、人間の血だと分かればよい」 血痕が人間の血....
犬神」より 著者:小酒井不木
気分が湧き、同時にまた幾分か理性が働きかけたようにも思った。 私は彼女の死体を風呂桶の中へ運んで蓋をし、それから座敷兼茶の間へ戻ると、驚いたことに、彼女の額か....
風呂を買うまで」より 著者:岡本綺堂
、やはり据風呂を買おうかと思っている。そこでまた宿無しが一句うかんだ。 宿無しが風呂桶を買ふ暑さ哉 (大正十三年七月)....