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風呂銭
「風呂銭〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
風呂銭の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「放浪」より 著者:織田作之助
丁度使いから帰って来た滅法背の高いそこの小僧に、何んぞ用だっかと問われ、いきなり
風呂銭にもっていた一銭銅貨を投げ出し、ものも云わずに蜜柑を一つ掴んで逃げ出した。....
「夫婦善哉」より 著者:織田作之助
えまえから、蝶子はチラシを綴《と》じて家計簿《かけいぼ》を作り、ほうれん草三銭、
風呂銭《ふろせん》三銭、ちり紙四銭、などと毎日の入費を書き込んで世帯を切り詰め、....
「青春の逆説」より 著者:織田作之助
電燈をつけた電車が物凄い音で追い駈けて来て、怖かった。 家へはいると、安二郎は
風呂銭を節約《しまつ》しての行水で、お君は袂をたかくあげて背中を流していた。それ....
「メーデーに備えろ」より 著者:宮本百合子
ことを考えさせずにはおかない。而もこうした一つ一つの苦しみは必ず工場から台所まで
風呂銭まで日々の米、味噌、電車賃まで影響して来る。私たちのぐるりの貧しい婦人は戦....
「雨」より 著者:織田作之助
だと撲られた。泣きながら一里半の道をとぼとぼ歩いて帰った。家へはいると、安二郎は
風呂銭を節約しての行水で、お君は袂をたくしあげて背中を流していた。それがすむとお....
「鍬と鎌の五月」より 著者:黒島伝治
って出て来た。スパイは、饂飩屋で饂飩を食って金を払わない。お湯屋の風呂に入って、
風呂銭を払わない、煙草屋で、煙草を借りて、そのまゝ借りッぱなしである。饂飩屋も、....
「放浪」より 著者:織田作之助
丁度使いから帰って来た滅法背の高いそこの小僧に、何んぞ用だっかと問われ、いきなり
風呂銭にもっていた一銭銅貨を投げ出し、ものも言わずに蜜柑を一つ掴んで逃げ出した。....