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「風塵〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

風塵の前後の文節・文章を表示しています。該当する5件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
虞美人草」より 著者:夏目漱石
めてである。骨ばかりこの世に取り残されたかと思う人の、疎《まば》らな髯《ひげ》を風塵《ふうじん》に託して、残喘《ざんせん》に一昔と二昔を、互違《たがいちがい》に....
新生」より 著者:島崎藤村
とも聞えたか知れないが、彼自身は自分で自分の言ったことを笑えなかった。煙のような風塵《かざぼこり》が復た恐ろしくやって、彼は口の中がジャリジャリするほど砂を浴び....
土俗玩具の話」より 著者:淡島寒月
が、その形態の内に捨て難き美を含んでいるのである。 地方|僻遠の田舎に、都会の風塵から汚されずに存在する郷土的玩具や人形には、一種言うべからざる簡素なる美を備....
女の話・花の話」より 著者:上村松園
、とても幽邃なところでして、この辺からすでに桜がちらほら見えます。都会の人の息と風塵に染んだ花とは違っておりまして、ほんの山桜の清々しい美しさは、眼にも心にもし....
小説 円朝」より 著者:正岡容
、音信不通だった父親の橘家圓太郎が、ヒョッコリ旅からかえってきた。 旅から旅の風塵にまみれた圓太郎は、もう昔のようなだらしのない道楽者ではなくなって、見るから....