風声[語句情報] » 風声

「風声〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

風声の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
禁酒の心」より 著者:太宰治
うらやましがる人も無いのに、そこは精神、吝嗇卑小になっているものだから、それこそ風声鶴唳《ふうせいかくれい》にも心を驚かし、外の足音にもいちいち肝《きも》を冷や....
武蔵野」より 著者:国木田独歩
、足にまかせて近郊をめぐる」 同二十二日――「夜|更《ふ》けぬ、戸外は林をわたる風声ものすごし。滴声しきりなれども雨はすでに止みたりとおぼし」 同二十三日――「....
真景累ヶ淵」より 著者:三遊亭円朝
な訳で、なれども此の程は大分咽喉加答児の方は宜《よ》うございますが、また風を引き風声《かざごえ》になりまして、風声と咽喉加答児とが掛持《かけもち》を致して居りま....
乱世」より 著者:菊池寛
された。 格之介の逃亡の理由が分かるにつれ、桑名藩士も官軍の人たちも、格之介が風声鶴唳におどろいて逃走を企て、捨てぬでもよい命を捨てたことを冷笑した。 が、....
運命」より 著者:幸田露伴
事を挙げんとするに臨みて、これ何の兆ぞ。さすがの燕王も心に之を悪みて色|懌ばず、風声雨声、竹折るゝ声、樹裂くる声、物凄じき天地を睥睨して、惨として隻語無く、王の....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
時は二十里ずつの距離の外に屏息し、徐行|逗留してあえて近づこうともせず、いわゆる風声鶴唳にも胆が身に添わなかったほどでありながら、いったん浪士らが金沢藩に降った....
口笛を吹く武士」より 著者:林不忘
ういうあなたこそ、赤穂浪士の錚々たるものかも知れませんな、あっはっはっは、いや、風声|鶴唳《かくれい》、風声鶴唳――。」 小林は、手文庫から、元赤穂藩の名鑑を....
梅津只円翁伝」より 著者:杉山萠円
ら筆者に指摘して見せた。 「氷雪堅く閉じて。光陰を送り。天上音信を得ざれば。世の風声を弁えず。闇々たる石窟に蠢々として動き、食満々と与えざれば、身心|※骨と衰え....
丹下左膳」より 著者:林不忘
「笊《ざる》の川ながれじゃ。大事ない」 「芥のかたまりぞ! わっはッは、山東殿の風声こりゃ笑わせるテ」 それでも連中、念のためにしばらく立ちどまってみつめてい....
加利福尼亜の宝島」より 著者:国枝史郎
はい、頭領がおられます。いつものお部屋におられます」 「馬鹿!」 と海賊の塩風声、十平太は浴びせかけたが、 「首を打たれた頭領が何んで船中におられるものか。....
魔都」より 著者:久生十蘭
ですよ、実にどうもすばらしい声で鳴くんです」 怪人物は訝しそうな眼つきで、 「風声|鶴唳《かくれい》ということはありますが、鶴が歌を唄うなどということはまだか....
学校の説」より 著者:福沢諭吉
と多し。他人の常言も我耳に新しく、恐るべきを恐れず、悦《よろこ》ぶべきを悦ばず、風声|鶴唳《かくれい》を聞きて走るの笑をとることあり。かくの如きはすなわち耳なき....
子規居士と余」より 著者:高浜虚子
り。今更驚くべきわけもなし。たとい地|裂山|摧くとも驚かぬ覚悟を極め居たり。今更風声鶴唳に驚くべきわけもなし。然れども余は驚きたり。驚きたりとて心臓の鼓動を感ず....
江戸芸術論」より 著者:永井荷風
《わずか》に大太皷《おおだいこ》を打叩《うちたた》きて能《よ》く水声《すいせい》風声《ふうせい》等を想像せしむるが如き簡単なる技巧は到底複雑なる西洋オペラの企て....
三国志」より 著者:吉川英治
伝え聞くや、中軍の鼓隊鑼隊に令して、金鼓を打たせ鉦を鳴らし、角笛を吹かせて、万雷風声、すべて敵を圧した。 討たれる者、黄河へおちて溺れ死ぬ者、夜明けまでに、河....