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風当り
「風当り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
風当りの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「将軍」より 著者:芥川竜之介
力だった。
しばらく行進を続けた後《のち》、隊は石の多い山陰《やまかげ》から、
風当りの強い河原《かわら》へ出た。
「おい、後《うしろ》を見ろ。」
紙屋だった....
「金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
た。 復一は、平沙の鼻の渚近くにボートを進ませたが、そこは夕方にしては珍らしく
風当りが激しくて海のように菱波が立ち、はすの魚がしきりに飛んだ。風を除けて、湖の....
「単独行」より 著者:加藤文太郎
りはクラストの雪で面白くなかった。それなのに劒沢は相変らず粉雪状態だった。思うに
風当りのよい谷は一日くらいの快晴ではまだ大丈夫らしい。劒沢の登りは長かった。長次....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
た。驚いたのは風である。三本の大きなはりがねで家を樫の木にしばりつけてあるので、
風当りがひどかろうとは覚悟して居たが、実際吹かれて見て驚いた。西南は右の樫以外一....
「石狩川」より 著者:本庄陸男
らを向く気配にもう頭を低《さ》げていた。そんなふうに身をかがめて、吹きつけて来る
風当りを少しでも避けようとしていたのだ。
阿賀妻は吐きだすように一言云った。
....
「小祝の一家」より 著者:宮本百合子
をしていた。おふくろのまきは夜になると親父をはげまして自分から今川焼の屋台を特別
風当りのきつい、しかし人通りの繁い川岸通りまで引き出して一時頃まで稼ぎ、小学を出....
「現代日本の思想対立」より 著者:戸坂潤
って着手された思想史的研究には相当の期待がかけられるだろう(こういう領域は比較的
風当りが少ないので理論の純粋性を或る程度まで維持できる。実は筆者も思想史の「世界....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
というものからも救われましょう、唯一の心配は風ですね、海洋の中の一孤島ですから、
風当りは相当強いものと見なければなりません。しかし、波は岸を洗うとも、島をうずめ....
「出家物語」より 著者:坂口安吾
なんだな、という思いをぬけきることができなかった。 けれども飲食店休業令だのと
風当りが強くなり、キヨ子にはふられる、人間なみに多少キモをつぶすような出来事も現....
「火の扉」より 著者:岸田国士
せはじめていた。それというのも、終戦この方、いわゆる職業軍人の家族に対する周囲の
風当りは、目立つて強くなつていた。康子自身は、むろんそれを人一倍身にしみて感じて....
「新西遊記」より 著者:久生十蘭
大雪崩の雪堆が山のように残っていて、目あての切通しは通行不能ということになった。
風当りのすくないところを探し、ツクツクをかぶって岩陰に身を寄せたが、寒気と泣き叫....
「なよたけ」より 著者:加藤道夫
学生さ。誰だって、自信なんか持っちゃいない。と云うよりは、むしろこの激しい世間の
風当りが息苦しくってしようがないのだ。俺だってそうさ。石ノ上だってそうさ。……だ....
「小説 円朝」より 著者:正岡容
の柳枝さんのところへ駈け込んでしまったというから小面憎い奴とおもい、それで師匠の
風当りが悪くなったのだとばかり考えていたら、なんのなんの我が敵は正に本能寺にあり....
「雪の十勝」より 著者:中谷宇吉郎
きい薪《まき》ストーヴがあって、二階が寝室になっている。この小屋の附近は不思議と
風当りが少いので、下のストーヴの暖みに気を許して、寝室の毛布にくるまっていると、....
「魂の喘ぎ」より 著者:大倉燁子
先生も褒めて下さる。悧口だ、美しい子だと親類中の褒めものになり、そのために私への
風当りがすっかり違ってきたのは有難い事でした。ひと様から云われなくとも、子を見る....