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風懐
「風懐〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
風懐の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
、もう何年も前に人が行くだけ行ってしまっている。ハアハア笑って、又忽ち行雲流水的
風懐になりました。芝のおじいさんのところのことなんかで、私はよけい注意をひかれた....
「中支遊記」より 著者:上村松園
としたものである。模様や字様のものの細々と彫っている大きな玉板であるとか、あまり
風懐に富んでもいない石仏とか、いずれは考古学上にはそれぞれ由緒あるものであろうが....
「二葉亭追録」より 著者:内田魯庵
は余りに近代的思想を持ち過ぎていた。シカモ近代人となるにはまた余りに古風な国士的
風懐があり過ぎていた。この鳥にも獣にもドッチにもなり切る事が出来ない性格の矛盾が....
「江戸芸術論」より 著者:永井荷風
》じたる太平の一士人《いちしじん》が悠々《ゆうゆう》として狂歌俳諧の天地に遊びし
風懐《ふうかい》に接し、また北斎の支那趣味によりては江戸時代の老人の温和なる道徳....
「現代茶人批判」より 著者:北大路魯山人
、ちょっと物認めるその字がかつての名茶人の物したごとく無理をせぬ、品の良い雅致と
風懐を具えた見識あるものであるかどうか。少なくとも俗書の域を脱しているかどうか。....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
忍ばれやせむ と、その獄へさえ、名残りを呟いておられたほどだ。これも並ならぬ
風懐だしお覚悟である。結果的に、帝にとって百余日の八寒の獄が、いやおうなしの、禅....
「随筆 新平家」より 著者:吉川英治
ねって、隣の春海さんに示す。「ふウむ……」と大きく鼻の穴でのぞくのみ、春海大人の
風懐も、いっこう感興に乗って来ない。(二八・三・二〇) 旅行に持ち物は大嫌いな....