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風月
「風月〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
風月の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「大導寺信輔の半生」より 著者:芥川竜之介
れどもこう言う見すぼらしさよりも更に彼の憎んだのは貧困に発した偽りだった。母は「
風月」の菓子折につめたカステラを親戚《しんせき》に進物にした。が、その中味は「風....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
時も、若殿様は例の通り、唇を歪《ゆが》めて御笑いになりながら、
「融の左大臣は、
風月の才に富んで居られたと申すではないか。されば父上づれは、話のあとを打たせるに....
「渾沌未分」より 著者:岡本かの子
ときどき銀座界隈へまで出掛けることもある。そうすると今度はニュー・グランドとか
風月堂とかモナミとか、格のある店へ入る。そこのロッジ寄りに席を取って、サッパーに....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
その風呂が高く出来ているので、男女ともに中途の階段を登ってはいる。石榴口には花鳥
風月もしくは武者絵などが画いてあって、私のゆく四丁目の湯では、男湯の石榴口に水滸....
「臨終まで」より 著者:梶井久
しみ、ほうれん草の様なもの。午後四時の間食には果物、時には駿河屋の夜の梅だとか、
風月堂の栗饅頭だとかの注文をします。夕食は朝が遅いから自然とおくれて午後十一時頃....
「二十五年間の文人の社会的地位の進歩」より 著者:内田魯庵
ドン底に潜むの悲痛を描いて以て教えなければならぬ。今日以後の文人は山林に隠棲して
風月に吟誦するような超世間的態度で芝居やカフェーにのみ立籠っていて人生の見物左衛....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
間であった。 姉は父の全盛を見て国へ帰って行ったのである。暫くの間であったが、
風月の洋菓子などふんだんにあった。ボンボンといって一粒ごとにいろいろの銘酒を入れ....
「軽女」より 著者:上村松園
あのお軽には、わたくしは限りない好ましさを感じるのである。 山科に隠栖し、花鳥
風月をともにして、吉良方の見張りの眼を紛らわしていた大石内蔵助は、しかし、それだ....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
目次 小序 守田勘弥 新富座の大岡政談――元園町の草原――長唄と常磐津の挟み撃ち――外国人の引幕――
風月堂の西洋菓子 新富座見物 左団次の渥美五郎――劇場の福草履――島原の芝居――....
「思い出草」より 著者:岡本綺堂
その風呂が高く出来ているので、男女ともに中途の蹈段を登って這入る。石榴口には花鳥
風月もしくは武者絵などが画いてあって、私のゆく四丁目の湯では、男湯の石榴口に『水....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
きならんや。けだし政教子の人たる、春来たれば野外に鶯花をたずね、秋来たれば窓間に
風月を弄し、その心つねに真理を友とし、その口みだりに世事を談ぜずといえども、あえ....
「西航日録」より 著者:井上円了
に入る。風穏やかに波平らかなり。 途上詩作一、二あり。 紅海書懐 紅海尽頭
風月幽、亜山埃水入吟眸、客身已在天涯外、遮莫家郷憶遠游。 (紅海の懐いを書す ....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
ホテルに訪う。ときに、同氏に一詩を呈す。 不、納尽万邦経国籌。 (君の旅はただの
風月の遊びではない。欧州・米国を観察してすめらみことのはかりごとをたてまつる。君....
「中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
ったりしたらしいことも、それを暗示するものかもしれない。だから西行といえば、花鳥
風月を友として悟りすました人のように思うのはあたらないので、花月につけても傷心の....
「早稲田神楽坂」より 著者:加能作次郎
日本菓子専門の店だったが、最近では洋菓子の方がむしろ主だという趣があり、ちょっと
風月堂といった感じで、神楽坂のみならず山の手方面の菓子屋では一流だろう。震災二、....