風格[語句情報] » 風格

「風格〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

風格の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
魚河岸」より 著者:芥川竜之介
と書と篆刻《てんこく》とを楽しんでいた。だから露柴には我々にない、どこかいなせな風格があった。下町気質《したまちかたぎ》よりは伝法《でんぼう》な、山の手には勿論....
或る女」より 著者:有島武郎
。 七 葉子はその朝横浜の郵船会社の永田から手紙を受け取った。漢学者らしい風格の、上手《じょうず》な字で唐紙牋《とうしせん》に書かれた文句には、自分は故早....
新日本の進路」より 著者:石原莞爾
歩みが見られる。毛澤東氏の新民主主義も、恐らくソ連のごとき專制には墮せず、東洋的風格をもつ優秀なる思想を完成するに相違いない。我等は國共いづれが中國を支配するか....
鶴は病みき」より 著者:岡本かの子
日居並んでいた。氏は客達の環中に悠然と坐って居ると殆ど大人君子のような立ち優った風格に見える。あれを個人と対談してひどく神経的になる時の女々しく執拗な氏に較べる....
巴里の唄うたい」より 著者:岡本かの子
一色の夜会服に静まっても彼女の空気が作れるようになった。 女に娘時代から年増の風格を備えているものがある。ダミアはそれだ。しかもダミアは今は年齢からいっても大....
久米正雄」より 著者:芥川竜之介
ルに酔いて、その生活の放漫なるを非難したる事ありしが、何時か久米の倨然たる一家の風格を感じたのを見ては、鶏は陸に米を啄み家鴨は水に泥鰌を追うを悟り、寝静まりたる....
豊島与志雄氏の事」より 著者:芥川竜之介
階で遇った事がある。その時は糸織の羽織か何か著て、髪を油で光らせて、甚大家らしい風格を備えていた。それから新思潮が発刊して一年たった年の秋、どこかで皆が集まって....
虫喰い算大会」より 著者:海野十三
というわけではなく、少しはあることはあるのですが、イギリスのようにアカデミックな風格は備えていません。アメリカではそれより手品や実験の方が、少年達に人気があるよ....
余裕のことなど」より 著者:伊丹万作
て、光風霽月、かんらかんらと朗らかにうち笑つて別れてしまう。まことに男ぼれのする風格である。これほどの源太を、いよいよ先陣あらそいとなると、またもや「馬の腹帯ゆ....
勝負師」より 著者:織田作之助
違って便所の方へ行ってしまうという放心振りがめずらしくなく、飄々とした脱俗のその風格から、どうしてあの「寄せの花田」の鋭い攻めが出るのかと思われるくらいである。....
河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
酔もさめ行く、面の色とともに澄切った瞳すずしく、深く思情を沈めた裡に、高き哲人の風格がある。 ここは渠について言うべき機会らしい。小山夏吉は工人にして、飾職の....
二葉亭余談」より 著者:内田魯庵
には理想が勝ち過ぎていた。道学先生とするには世間が解り過ぎていた。ツマリ二葉亭の風格は小説家とも政治家とも君子とも豪傑とも実際家とも道学先生とも何とも定められな....
読むうちに思ったこと」より 著者:小川未明
心する文筆家が、即ちそれであるが、文章に、自然なところがなく、また明朗さがなく、風格がなく、何等個性の親しむべきものなきを、如何ともすることができないでありまし....
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
対する逞しい健康な気力がもとより備わっており、虚を去って実を採る、真実の理想家の風格があるので、進んでこの大乗の真理を歓迎し文化発展の動力に使ったのであります。....
俗臭」より 著者:織田作之助
くような調子で議会政治を論じ、序でに国策の機微にも触れ、いってみれば一角の政客の風格を身辺に漂わしていた。不思議に、ついぞ名刺というものを出したことがない。この....