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「風流〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

風流の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
かかったり、玄関の前に敷いた枯れ松葉に藪柑子《やぶこうじ》の実が赤らんだり、一層風流に見えるのだった。のみならずこの家のある横町も殆《ほとん》ど人通りと云うもの....
報恩記」より 著者:芥川竜之介
も、数寄《すき》を凝らした囲いの中に、この家《や》の主人や客に来た仲間が、どんな風流を楽しんでいるか?――そんな事に心が惹《ひ》かれたのです。 襖《ふすま》の....
一夕話」より 著者:芥川竜之介
した、短い髭《ひげ》を生やしている、――そうさな、まあ一言《いちごん》にいえば、風流愛すべき好男子だろう。」 「若槻峯太郎《わかつきみねたろう》、俳号《はいごう....
邪宗門」より 著者:芥川竜之介
眼にはかかれません。いや、たとい御眼にかかれたのにしても、御出でになる方々が、皆風流の才子ばかりでいらっしゃいますから、さすがに御身を御愧《おは》じになって、自....
開化の良人」より 著者:芥川竜之介
ぶね》で大川へ漕ぎ出しました。 「あの頃の大川《おおかわ》の夕景色は、たとい昔の風流には及ばなかったかも知れませんが、それでもなお、どこか浮世絵じみた美しさが残....
奇遇」より 著者:芥川竜之介
めと》っていない。家は門地《もんち》も正しいし、親譲りの資産も相当にある。詩酒の風流を恣《ほしいまま》にするには、こんな都合《つごう》の好《い》い身分はない。 ....
奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
なった。 案内に応じて通されたのは、日当りの好《い》い座敷だった。その上主人が風流なのか、支那《シナ》の書棚だの蘭《らん》の鉢だの、煎茶家《せんちゃか》めいた....
素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
楡の下の若者に「おい、君。」と声をかけた。若者は慌てて、顔を挙げた。が、彼はこの風流な若者が、彼の崇拝する素戔嗚の敵の一人だと云う事を承知していた。そこでいかに....
或る女」より 著者:有島武郎
ばに立って、胸に何か赤い花をさして型のいいフロック・コートを着て、ほほえんでいた風流な若紳士は、桟橋の歓呼を引き取って、田川夫人の面前で帽子を高くあげて万歳を叫....
或る女」より 著者:有島武郎
は、骨董《こっとう》などをいじくって古味《ふるみ》というようなものをありがたがる風流人と共通したような気取りがある。その似而非《えせ》気取りを葉子は幸いにも持ち....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
、兵糧の準備、狩子の勢揃い、まるで戦争のような大騒ぎでございました。 そうそう風流な、優さしい遊びも少しはありました。それは主として能狂言、猿楽などで、家来達....
亡び行く江戸趣味」より 著者:淡島寒月
いずれもただ物見遊山するもののみであった。 ◇ 向島ではこれらの風流人を迎えて業平しじみとか、紫鯉とか、くわいとか、芋とか土地の名産を紹介して、....
春昼後刻」より 著者:泉鏡花
大層評判が宜しゅうございますから……何ですよ、この頃に絵具を持出して、草の上で風流の店びらきをしようと思います、大した写生じゃありませんか。 この円いのが海....
河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
螺を起す男も見え、鰯を拾う童も居る。……汐の松の枝ぶり一つにも杖を留めようとする風流人には、此奴あてつけに意地の悪いほど、とっとっと行く。そうでしょう、駄賃を稼....
本所両国」より 著者:芥川竜之介
ているのは僕には何か時代錯誤を感じさせない訳には行かなかった。江戸時代に興った「風流」は江戸時代と一しょに滅んでしまった。唯僕等の明治時代はまだどこかに二百年間....