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風流人
「風流人〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
風流人の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「一夕話」より 著者:芥川竜之介
しい返事は何もしない。ただ寂しそうに笑いながら、もともとわたしはあの人のように、
風流人《ふうりゅうじん》じゃないんですというんだ。
「僕もその時は立入っても訊《....
「或る女」より 著者:有島武郎
は、骨董《こっとう》などをいじくって古味《ふるみ》というようなものをありがたがる
風流人と共通したような気取りがある。その似而非《えせ》気取りを葉子は幸いにも持ち....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ったような青空を見せていた。 このごろの騒がしい世の中では、葉ざくら見物という
風流人も少ないと見えて、花の散ったあとの隅田堤はさびしかった。堤下《どてした》の....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
岸の里も俄かにさびれた。春来れば、鶯は昔ながらにさえずりながら、それに耳を傾ける
風流人が遠ざかってしまった。後にはその禁令も次第にゆるんで、江戸末期には再び昔の....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
いうような句を入れて行ったそうです。お葉という女の名から思いついた謎で、なるほど
風流人らしい知恵でした。いつもいつも同じような句を作っているので、宗匠も少し変に....
「青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
を商売にいたしておりました。江戸の昔には、吉原の妓楼や引手茶屋の主人にもなかなか
風流人がございまして、俳諧をやったり書画をいじくったりして、いわゆる文人墨客とい....
「応仁の乱」より 著者:菊池寛
に色もなし」と詠じた。一代の享楽児の面目躍如たるものがある。併し義政は単に一介の
風流人ではなく、相当頭のよい男であった。天下大乱の兆、漸くきざし、山名細川両氏の....
「亡び行く江戸趣味」より 著者:淡島寒月
いずれもただ物見遊山するもののみであった。 ◇ 向島ではこれらの
風流人を迎えて業平しじみとか、紫鯉とか、くわいとか、芋とか土地の名産を紹介して、....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
でも朗吟すれば維新の志士のおもかげすらあった。それが『蒲団』を書いた花袋である。
風流人という文人かたぎの本性においては終始かわらぬものがあったが、ただ一図に物を....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
螺を起す男も見え、鰯を拾う童も居る。……汐の松の枝ぶり一つにも杖を留めようとする
風流人には、此奴あてつけに意地の悪いほど、とっとっと行く。そうでしょう、駄賃を稼....
「二階から」より 著者:岡本綺堂
築山に最も近い四畳半の部屋に集って、茶を飲みながら蛙の声を聴いた。私の家族は俄に
風流人になってしまった。 俄作りの詩人や俳人は明る日になって再び失望させられた....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
興して依然町内の老舗の暖簾といわれおる。 椿岳の米三郎は早くから絵事に志ざした
風流人であって、算盤を弾いて身代を肥やす商売人肌ではなかった。初めから長袖を志望....
「美味放談」より 著者:北大路魯山人
って贅沢だといわれたのは、おそらく僕ぐらいのものだろう。 風流といえば、当時の
風流人に岡本可亭があった。これは岡本一平のお父さんであるが、当時僕はこのひとに連....
「中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
なかったのである。彼が希ったのは、夢想し耽溺することの快楽を、恍惚として実践する
風流人の生活、当時の言葉でいうところの数寄者の生活ではない。正反対である。彼が希....
「昆布とろ」より 著者:北大路魯山人
は済まさぬという凝り方の、趣味性に富んでいる人もいるのであるが、これも雅びやかな
風流人ではなく、よく江戸文学にあらわれるような一種の型のあるものであって、ちょっ....