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「風浪〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

風浪の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
地球図」より 著者:太宰治
をして、私が六年さきにヤアパンニアに使するよう本師より言いつけられ、承って万里の風浪をしのぎ来て、ついに国都へついた、しかるに、きょうしも本国にあっては新年の初....
鰊漁場」より 著者:島木健作
合は昼夜をとわず、凡て旦那、親方の命に従い何時にても労務に服すること。鰊乗網中は風浪の危険を犯し、昼夜の区別なく最大労務に服すべきこと。労務期間中、死亡し又は負....
死の快走船」より 著者:大阪圭吉
水の色が著るしく映え変る。と、横ざまの疾風を受けて、藍色の海面は白く光る、小さな風浪に覆いつくされ、毒々しい銀色にきらめき渡る。白い冷たいその海の彼方には、暗緑....
母子叙情」より 著者:岡本かの子
かの女は、世間の風聞にもはや動かされなくなっているにしても、しかし、それを通じて風浪の荒い航行中に、少くともかの女のむす子は舵を正しく執りつつあるのを見て取った....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
命を托して、この絶島に信仰の歩みを運んで来たのである。ある場合には十日も二十日も風浪に阻められて、ほとんど流人同様の艱難を嘗めたこともあったろう。ある場合には破....
火薬船」より 著者:海野十三
」 それは、そのとおりにちがいない。平靖号が航海にとびこんでからこっち、多少、風浪ともみ合ったり、横合から入って来た危難を切りぬけるのに、ほねをおったぐらいの....
幽霊船の秘密」より 著者:海野十三
る。洋上に風はだんだん吹きつける。 四艘のボートの運命はどうなるのであろうか。風浪あらし 船腹が青白く光る無灯の怪汽船は、闇にまぎれてどこかへいってしまった....
浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
面に浮かんでいるのだった。沢山の丈夫な錨によって海底へつながっているから、どんな風浪にもびくともしない。 大きさは、ドイツの大飛行船ヒットラー号よりも何十メー....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
人々の面を打ちました。わが君をはじめ、一|同はしきりに舟子達を励まして、暴れ狂う風浪と闘いましたが、やがて両三|人は浪に呑まれ、残余は力つきて船底に倒れ、船はい....
肝臓先生」より 著者:坂口安吾
半分の漁師町では永久にケンカがないことを知った。若い漁師のたくましい筋骨はあげて風浪との闘いに捧げられ、同族に向って手をあげるなぞは思いもよらないことなのだ。平....
名人地獄」より 著者:国枝史郎
翻えすと、兄の死を痛み悲しんでいた、もう今までの甚内ではない。熟練をした勇敢な、風浪と戦うかこであった。 帆綱を握るとグイと引いた。ギーギーという音がして、左....
安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
太古の人が住みつくには最も適した地勢なのだ。南海の果であるし、湾は深く入りくんで風浪をふせぎ、島は多く散在して海産物に恵まれているのだから。彼らは歴史の変動にも....
瘠我慢の説」より 著者:木村芥舟
かえって大にして大に謝せざるべからざるものあり。それを如何というに、この時|洋中風浪暴くして、予が外に伴いたる従者は皆|昏暈疲憊して、一人も起つこと能わず。先生....
西航日録」より 著者:井上円了
袂をわかちて港内より発錨す。汽船は若狭丸と号し、六千二百六十トンの大船なり。晩来風浪少しく起こり、船体ために微動せるも、かえって催眠の媒介となり、遠灘七十三里は....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
て、俗称阿房鳥という。洋語にてアルバトロスと呼ぶ。赤道をこえて以来、毎日この鳥の風浪の間に雄飛するを見ざるはなし。渺茫たる万里の太平洋およびインド洋を自在にはう....