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風潮
「風潮〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
風潮の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
ったからもありましょうが、また一つには彼の性情が、どちらかと云うと唯物的な当時の
風潮とは正反対に、人一倍純粋な理想的傾向を帯びていたので、自然と孤独に甘んじるよ....
「青春の逆説」より 著者:織田作之助
し、男に目をつけられるのは、目もあてられないからね、不気味ではあるな。いまはこの
風潮は大いにすたったが、しかし昔は盛んだったね。いや、全くの話が、プラトンかソク....
「世相」より 著者:織田作之助
、いっそ天邪鬼な快感があった。デカダンスの作家ときめられたからとて、慌てて時代の
風潮に迎合するというのも、思えば醜体だ。不良少年はお前だと言われるともはやますま....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
できるであろう。自然科学的の内容はなくていたずらに威圧的の言辞を重ねるのが一般の
風潮であった。詭弁学者らはすべてのもの、各々のものを、何らの予備知識なしに証明す....
「最終戦争論」より 著者:石原莞爾
二つの手段が主として採用されるのであります。 フリードリヒ大王は、最初は当時の
風潮に反して会戦を相当に使ったのでありますが、さすがのフリードリヒ大王も、多く血....
「食魔」より 著者:岡本かの子
たが当時モダンの名に於て新味と時代適応性を西洋的なものから採入れようとする一般の
風潮は彼の後姿に向っては「葵祭の竹の欄干で」青く擦れてなはると蔭口を利きながら、....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
史詩集成』の中に、ゲルベルトに関する妖異譚が載っている。勿論当時のサラセン嫌悪の
風潮で、ゲルベルトをまるで妖術師扱いにしているのだが、とにかくその一節を抜萃して....
「新時代女性問答」より 著者:岡本かの子
己主義な、お芝居気を満足させるための気障なのも往々にして見受けます。むしろ一般の
風潮が多くそうであると云い度い位です。そして反射神経でありあわせなラブレターの書....
「勧善懲悪」より 著者:織田作之助
「誤診と投薬」「薬価二十倍」「医者は病気の伝播者」「車代の不可解」「現代医界の悪
風潮」「只眼中金あるのみ」などとこれをちょっと変えれば、そのまま川那子メジシンに....
「東京文壇に与う」より 著者:織田作之助
世界を描いた限り、私は傑作だと思った。唯、不幸にして描かれた男女の世界が、当代の
風潮に反していたことと、それに、あの中の大阪的なものが、東京の評家の神経にふれて....
「猫と杓子について」より 著者:織田作之助
公約数的な意見、公式、規格品、標準、権威――そういったものを、よしんばそれが世の
風潮に乗っている思想であっても、自分の頭で自分が納得できるまで疑うべきであります....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
政教の版図に入り、舌戦、筆闘、壇上やや穏やかならざる事情あるを見る。立ちて社会の
風潮をうかがえば、政海の波ようやく高く、教天の光ために暗きを覚ゆ。政教子すなわち....
「浅沼稲次郎の三つの代表的演説」より 著者:浅沼稲次郎
組みになっております。 政治がこのように金で動かされる結果として、金次第という
風潮が社会にみなぎり、希望も理想もなく、その日ぐらしの生活態度が横行しております....
「文化線の低下」より 著者:小川未明
な原因は、今日の資本主義に基点を置く、ヂャナリズムの然らしめることです。この悪い
風潮は黙々として、自己の生産に従事しつゝある、あらゆる階級にまで瀰漫せんとしつゝ....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
く、参謀本部の要求はなかなか陸軍省の賛成が得られず(しかも参謀本部の要求も世間の
風潮に押されて誠に控え目であった)、更に陸軍省と大蔵省、政府と議会の関係は甚だし....