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「風窓〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

風窓の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
地獄街道」より 著者:海野十三
の背について窓外を見た。「オヤ、偶然かも知れないが、面白いものがあるネ。ここに通風窓があって窓の外へ一メートルも出ている。ホラ見給え、家に近い方の隅っこに、小さ....
火薬船」より 著者:海野十三
から、小一時間ほどたってから後のことだった。巨人ハルクのとじこめられた倉庫の、通風窓にはめられてあった鉄格子が、きいきいとおとをたてはじめた。 きいきいという....
クリスマス・カロル」より 著者:ディケンズチャールズ
所でさえ、灯光の番をしていた二人の男が火を焚いていた、それが厚い石の壁に造られた風窓から物凄い海の上に一条の輝かしい光線を射出した。向い合せに坐っていた荒削りの....
旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
から光のくるのを遮ぎられてしまうと、冷汗を流して、こおろぎに脅えたり、夏であると風窓が明いていると、そこへ顔を押しつけていたものだった。そんな時、まだちいさかっ....
北京・青島・村落」より 著者:豊島与志雄
方へまで展望が開けている。四方八方にそうである。謂わば、地平線の彼方へまで通じる風窓が、大地の上に八方に開けていて、そこには視線に対する抵抗物が何一つない。 ....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
夢に害された。――穴倉の中を歩き回っていた。すると渋面した剥皮体《はくひたい》が風窓からはいってくるのが見えた。――一人で室の中にいた。すると廊下に軽い足音が聞....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
る晩、家へ帰る途中、もらって来た金を非常に重苦しく感じて、通りがかりにある穴倉の風窓へそれを投げ込んでしまった。けれどもすぐ後で、賤《いや》しい真似《まね》をし....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
。クリストフは向かっ腹をたてて、しまいには椅子《いす》の上にあがり、その屋根裏の風窓から顔を出して、怒鳴りつけてやろうとした。しかし、その男が屋根にまたがり、善....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
のためにはほとんど存在しなかった、と言っても偽りではないであろう。それともいえぬ風窓からのほのかな明るみが、いつも彼の魂を輝《て》らしていたのみである。 終わ....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
し合った。フランス軍は、壁の後ろや納屋の上や窖《あなぐら》の下など四方から、窓や風窓や石のすき間などを通して射撃されたので、鹿柴《ろくさい》を持ってきて壁や敵に....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
ぐら》が一つあった。その窖はセーヌ川の水面より八尺も低くなっていた。窓もなければ風窓もなく、唯一の開き口はただ入り口の戸だけであった。人間ははいることができたが....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
ら、人家の屋根から、居酒屋の窓から、またある者は窖《あなぐら》にすべり込んでその風窓から、戦った。ひとりをもって六十人を相手とした。コラント亭の正面は半ば破壊さ....
死刑囚最後の日」より 著者:豊島与志雄
て、厚い蜘蛛《くも》の巣がぼろ布のようにぶらさがっている。 それに、窓もなく、風窓もない。木材に鉄を張りつめた扉が一つあるきり。 いや違っていた。扉のまんな....
審判」より 著者:カフカフランツ
てあった鉤付きの竿をとり、ちょうどKの頭上に備えつけられた、戸外に通じる小さな通風窓をつついてあけた。だが煤がひどくたくさん落ちてきたので、娘はその通風窓をすぐ....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
は仙境への入口かと思うほどである。) 当夕七時、船を桟橋につなぐ。ときに明月清風窓に入り来たる。 布海波頭月、連檣影動揺、夜深人漸定、港上起。 (布の海は波の....