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「風立つ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

風立つの前後の文節・文章を表示しています。該当する5件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
妖術」より 著者:泉鏡花
だしさより、仲見世は、どっと音のするばかり、一面の薄墨へ、色を飛ばした男女の姿。風立つ中を群って、颯と大幅に境内から、広小路へ散りかかる。 きちがい日和の俄雨....
歌行灯」より 著者:泉鏡花
取着きの狭い階子段です。 (座敷は二階かい、)と突然頬被を取って上ろうとすると、風立つので燈を置かない。真暗だからちょっと待って、と色めいてざわつき出す。とその....
農村」より 著者:宮本百合子
き美くしさを池の面と、山々、空の広いはてが表わす。 暑い日がやや沈みかけて、涼風立つ頃、今まで只一色大海の様に白い泡《あわ》をたぎらせて居た空はにわかに一変す....
慈悲心鳥」より 著者:岡本綺堂
い。八月二十日以後の日記にはこういう記事が見えた。 二十日、晴。けさは俄かに秋風立つ。午後一時ごろに六兵衛老人は宇都宮から突然に帰って来る。おどろいてきけば、....
清心庵」より 著者:泉鏡花
連りたり。山はいまだ暮ならず。夕日の余波あるあたり、薄紫の雲も見ゆ。そよとばかり風立つままに、むら薄の穂|打靡きて、肩のあたりに秋ぞ染むなる。さきには汗出でて咽....