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風花
「風花〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
風花の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
ずりの響がする。突然にざあと時雨が来る。はら/\と庇をうって霰が来る。ちら/\と
風花が降る。北から凩が吹いて来て、落葉した村の木立を騒々しく鳴らす。乾いた落葉が....
「わが童心」より 著者:佐藤垢石
真っ黒な雲が地蔵ヶ岳を掩うと、有名な赤城颪が猛然と吹き降りてくる。寒冽な強風だ。
風花を混じえて、頬に当たれば腐肉も割れやせん。 私は子供のころ、その痛い嵐が吹....
「小説 円朝」より 著者:正岡容
がら次郎吉も、皆のあとへ従いてそのお経をモグモグ口の中で誦んだ。あまりの寒さが、
風花《かざはな》落ちかかる夜更けの街から街を慄えていく寒念仏の辛い境涯が、そのま....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
れば、天の果てまで遊歴の跡は多い。豪州の野の三千里の白い霧、竺洋百万畝の青い波、
風花雪月の景色はみるみるうちにかわり、春夏秋冬の季節は夢のようにすぎた。看尽くし....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
のは、先駆の物見隊だけで、尊氏の本隊は、なお地蔵堂のあたりにとどまり、吹きすさぶ
風花まじりの山颪の下にその晩は夜営していた。 地名、竹の下とは“岳の下”の意味....
「随筆 新平家」より 著者:吉川英治
ある。もっぱら煙草をくわえ、苦吟の態にしておく。その晩の苦吟の態なるものの一つ。
風花にちら/\帰る屋島寺 夜はたちまち十時過ぎる。 夜の十一時に、別府行きの....