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風通
「風通〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
風通の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
たと云う事です。
それから三十分ばかり経った後、新蔵はまだ眼の色を変えたまま、
風通しの好い裏座敷で、主人の泰さんを前にしながら、今夜出合ったさまざまな不思議な....
「或る女」より 著者:有島武郎
どもまだこんななんですの。こら動悸《どうき》が」
といいながら、地味《じみ》な
風通《ふうつう》の単衣物《ひとえもの》の中にかくれたはなやかな襦袢《じゅばん》の....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
んだ頃から、空はだんだんに薄明るくなって来たが、風は死んだように吹かなくなった。
風通しのいいのを自慢にしているこの六畳の座敷も息苦しいように蒸し暑くなって、遠い....
「耽溺」より 著者:岩野泡鳴
ょうか?」 「それはありがとうござります」と、お貞はお君に目くばせしながら、 「
風通しのええ二階の三番がよかろ。あすこへ御案内おし」 「なアに、どこでもいいです....
「河明り」より 著者:岡本かの子
市中を通ると、地獄車のように、異様に見えた。その電車は床の上に何本かの柱があって
風通しの為めに周りの囲い板はなく僅に天蓋のような屋根を冠っているだけである。癒し....
「続獄中記」より 著者:大杉栄
前を通った。普通の家のような大きな窓のついた、あるいは一面にガラス戸のはまった、
風通しのよさそうな、暖かそうな、小綺麗な建物が、ほとんど四季を通じて草花や何かの....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
まで見通し、濶と睨んだ大の眼は、ここの、」 と額に皺を寄せて、 「汗を吹抜きの
風通し……さして難渋にもござらなんだが、それでも素面のようではない。一人前、顔だ....
「獄中消息」より 著者:大杉栄
市ヶ谷から(一) * 宛名・日附不明 僕は三畳の室を独占している。日当りもいいし、
風通しもいいし、新しくて綺麗だし、なかなか下六番町の僕の家などの追いつくものでな....
「蛍」より 著者:織田作之助
、さすがにお定の気の強さだったろうか。 お定の臥ていた部屋は寺田屋じゅうで一番
風通しがよかった。まるで七年薬草の匂いの褐くしみこんだその部屋の畳を新しく取り替....
「西瓜」より 著者:岡本綺堂
出たらば焦げてしまいそうな暑さである。それでもここの庭には大木が茂っているので、
風通しは少し悪いが、暑さに苦しむようなことはない。わたしも縁側に蒲蓙を敷いて、倉....
「瘤」より 著者:犬田卯
。」 「つまらねえこと……馬鹿な、何がつまらねえことだ。俺ら聞いて、すうっと胸が
風通しよくなったようだっけ、本当によ。――あんな君、瘤のような人間、駄目だよ。こ....
「秋深き」より 著者:織田作之助
ながめだった。 ふと、湯気のにおいが漂うて来た。光っていた木犀の香が消された。
風通しの良い部屋をと言うと、二階の薄汚い六畳へ通された。先に立った女中が襖をひら....
「白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
の染縞で、安もの買の汗がにおう。 こいつを、二階の十畳の広間に引見した大人は、
風通小紋の単衣に、白の肌襦袢、少々汚れ目が黄ばんだ……兄妹分の新夫人、お洲美さん....
「活人形」より 著者:泉鏡花
思い出すと戦慄といたします。と薄気味悪げに後を見返り、「部室の外が直ぐ森なので、
風通しは宜うございますが、こんな時には、ちとどうも、と座敷の四隅に目を配りぬ。 ....
「婚期はずれ」より 著者:織田作之助
いたのも、一つにはこのためだった。 路地の奥はちょっとした空地で、夏などわりに
風通しが良いとて、娘たちは晩になると洗濯物の乾してある下へ床几を持ち出して、ずら....