風邪を引く[語句情報] » 風邪を引く

「風邪を引く〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

風邪を引くの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
婦系図」より 著者:泉鏡花
鉢の傍の釣洋燈の下に、ものの本にも実際にも、約束通りの女中の有様。 ちょいと、風邪を引くよ、と先刻から、隣座敷の机に恁っかかって絵を描きながら、低声で気をつけ....
とむらい機関車」より 著者:大阪圭吉
れる様な慈愛に満ちた眼差でセカセカと娘の方を振返っては、「そんなに障子を明けると風邪を引くよ」とか、「さあ、お客様に汽車のお話でも聞くがいいよ」などと、それはそ....
菊模様皿山奇談」より 著者:三遊亭円朝
る、人には病は無いものじゃ、思う念慮が重なるによって胸に詰って来ると毛孔が開いて風邪を引くような事になる、人間|元来病なく、薬石尽く無用、自ら病を求めて病が起る....
」より 著者:島崎藤村
打たれながら、彼方是方と歩いていたが、夫の声を聞きつけて引返して来た。 「オイ、風邪を引くといかんぜ」 と三吉は妻を家の内へ呼入れて、表の戸を閉めた。 急に....
怪談牡丹灯籠」より 著者:三遊亭円朝
て倒れると。 伴「旦那え/\大層|魘されていますね、恐しい声をして恟りしました、風邪を引くといけませんよ」 と云われて新三郎はやっと目を覚し、ハアと溜息をつい....
流線間諜」より 著者:海野十三
の行方が分るのは幾時ごろかね。十日も二十日も懸るのなら、こんなとこに立っていては風邪を引くからね」 「イヤ課長さん。そうは懸らないつもりですよ。まず早ければ三十....
めでたき風景」より 著者:小出楢重
傾向のもので即ちヴラマンクに似てはいるが本当のヴラマンクがその絵を見たら恐縮して風邪を引くであろう処のどす黒赤き拙劣な絵という事になる。その他もっさりしたシャガ....
大切な雰囲気」より 著者:小出楢重
と風とで日本の梅雨を思わせ、私はその風に当って軽い風邪を引いてしまった。印度洋で風邪を引くという事は全く私のプログラムにはない事だった。さすがに紅海は太陽の光と....
荒磯の興味」より 著者:佐藤惣之助
釣った魚を焼いて食事するとか、いろいろの方法もある。更に疲れたら岩に眠る、川では風邪を引くが、海では絶対といっていいほど、風邪を引かない。そして塩分の強い空気に....
戯作者」より 著者:国枝史郎
た。些か湯加減は温いようである。 「これは早速には出られそうもない。迂濶り出ると風邪を引く。ちとこれは迷惑だわえ」 心中少しく閉口しながら馬琴はじっと沈んでい....
死剣と生縄」より 著者:江見水蔭
お鉄が喜んだ事は一通りでなかった。 「これ此通り。ちゃんと私が持っている。さあ風邪を引くと悪い。早くお着きなさいよ」 子供の湯上りに母親が衣類を着せるように....
血の盃」より 著者:小酒井不木
に、万一のことを仕兼ねないかも知れぬと思うと、全身の血が凍るように思われた。 「風邪を引くといかん、早く帰って寝ようよ」 丹七はやっと、あさ子をなぐさめて、冷....
葛飾砂子」より 著者:泉鏡花
だが、誰も返事をするものがない。 立続けに、 「遅いからもうお帰りなさいまし、風邪を引くと不可ません。」 弥吉は親方の吩咐に註を入れて、我ながら旨く言ったと....
註文帳」より 著者:泉鏡花
その男を殺すというのだい。今行水を遣ってら、」 「何をいわっしゃる、ははははは、風邪を引くぞ、うむ、夢じゃわ夢じゃわ。」 「はて、しかし夢か、」とぼんやりして腕....
四つの都」より 著者:織田作之助
も姉ちゃんがやったげる、さあ、はよ着更えんと風邪ひくし」 七 汽車の中。 鶴三「風邪を引くんじゃねえぞ」 と、新吉に言いきかせている。新吉頷く。 鶴三「一日休め....