風邪気味[語句情報] » 風邪気味

「風邪気味〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

風邪気味の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
人間失格」より 著者:太宰治
て、よろめいてアパートに帰り、ヨシ子に塩水を作らせて飲み、黙って寝て、翌る日も、風邪気味だと嘘をついて一日一ぱい寝て、夜、自分の秘密の喀血がどうにも不安でたまら....
自叙伝」より 著者:大杉栄
谷で汗をかいたり風にふかれたりしたせいか、そしてその上に湯にはいったせいか、少し風邪気味で熱を感じたのだ。肺をわずらっていた僕には、感冒はほとんど年じゅうのつき....
正義と微笑」より 著者:太宰治
るらしい。」 「からだは丈夫です。」僕は、図に乗って抗弁した。「いまは、ちょっと風邪気味なんですけど。」 「そうか。」その重厚な学生も、はじめて少し笑った。「ひ....
殺人鬼」より 著者:浜尾四郎
けるようになつてから当分呼ばれぬようになつて、ほつと安心して気がゆるんだせいか、風邪気味で二十七日から床についてしまつた。 私が、彼の病気を知つたのは二十七日....
新釈諸国噺」より 著者:太宰治
引出し、浴衣に陣羽織という姿の者もあり、単衣を五枚重ねて着て頸に古綿を巻きつけた風邪気味と称する者もあり、女房の小袖を裏返しに着て袖の形をごまかそうと腕まくりの....
ほととぎす」より 著者:堀辰雄
かった。 その四 その翌朝、頭《かん》の君《きみ》は道綱のところへ使いの者に、風邪気味で役所へ出られそうもありませんから一寸お出がけにでもお立ち寄り下さい、と....
菜穂子」より 著者:堀辰雄
場の前あたりまで行ってすぐ戻って来るつもりだった。そのつもりで、けさ圭介の母から風邪気味で一週間ほども寝ていると云って寄こしたので、それへ書いた返事を駅の郵便函....
雪のシベリア」より 著者:黒島伝治
の報いとして、早くかえしてくれることに思って、常々から努めてきたのであった。少し風邪気味で、大儀な時にでも無理をして勤務をおろそかにしなかった。 ――そうして....
小さな山羊の記録」より 著者:坂口安吾
で、鼻が乾いた時にはテキメンにやられるのが習慣であるから、年中、四半分ぐらいずつ風邪気味に、自然の天恵によって鼻がぬれているような体質なのではないかと思っていた....
黒い手帳」より 著者:久生十蘭
え喰えないやつらがなんで人を招く。また新奇な方法を案出したと見てとったので、彼は風邪気味だから招待には応じられまいと告げた。夫婦が彼に接触する口実になりはせぬか....
魔都」より 著者:久生十蘭
ことも出来やしない。用があるならサッサといって手取早くひき取って貰おう。私は少々風邪気味でね、あまり機嫌がよくないのだぞ」 警保局長はあくまでもへりくだり、 ....
小説 円朝」より 著者:正岡容
また手土産を携えて圓朝は、師匠のところへ礼にいった。 「圓朝さん。いまうちの人、風邪気味で臥《ふせ》っていますからお目にかかれないそうです」 少し老けたが相変....
釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
るのだが、そのお美野の着ている荒い滝縞の丹前に、初太郎は覚えがあった。宵の口から風邪気味だといって、お美野は先刻帳場でもその丹前を羽織っていたことを、かれは思い....
女強盗」より 著者:菊池寛
を一々呼び出した。すると、その中に大納言|殿と云われる上席の女中がいたが、それが風邪気味だと云って、出て来ない。それを、たとい人に負われてもよいから出て来いと云....
フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
におとなしい。 それが申し合せたように、今夜は不思議に静粛である。庄亮までが、風邪気味で咽喉を痛めたというので、さして左が利かない。 「止すか。」 「うむ。御....