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風鐸
「風鐸〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
風鐸の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「鼻」より 著者:芥川竜之介
しくなった。
するとある夜の事である。日が暮れてから急に風が出たと見えて、塔の
風鐸《ふうたく》の鳴る音が、うるさいほど枕に通《かよ》って来た。その上、寒さもめ....
「竜」より 著者:芥川竜之介
なんだいもん》の石段の上へ参りました。丁度その日は空もほがらかに晴れ渡って、門の
風鐸《ふうたく》を鳴らすほどの風さえ吹く気色《けしき》はございませんでしたが、そ....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
くちらついて、ちょっと、いらっしゃらない? と云いたい心持がせき上げました。風で
風鐸は鳴っているし。私は、紺絣の着物をきてその座敷にいるのです、半幅帯をチョコナ....
「魔都」より 著者:久生十蘭
、唇は無限の威厳を示して寛濶に引結ばれている。耳に至っては非凡中の非凡であって、
風鐸なりの肉の厚い巨大な耳がちょうど眦《まなじり》の下辺りから顎の辺りまで福々と....
「平賀源内捕物帳」より 著者:久生十蘭
源内先生の演説 源内先生が、宙乗《ちゅうのり》をしていられる。
風鐸《ふうたく》を修繕するだけのためだから、足場といっても歩板《あゆび》などはつ....
「平賀源内捕物帳」より 著者:久生十蘭
》の唐瓦《とうが》を置いた棟の反《そ》った支那風の建物が見えて来た。檐《のき》に
風鐸《ふうたく》をつるし、丹塗《にぬり》の唐格子の嵌《はま》った丸窓があり、舗石....
「ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
ウウ……)――と呼ぶんです。振売の時、チリンチリンと鳴らすが、似ているからって、
風鐸蕎麦と云うんだそうです。聞いても寒いわね。
風鐸どころですか、荷の軒から氷柱が....
「古寺巡礼」より 著者:和辻哲郎
ペンと手帳と案内記とが座右にあった。当麻寺へ行って来たことを話すと、君はあの塔の
風鐸をどう思います、ときく。わたくしは
風鐸にまで注意していなかったので、逆にその....