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「飄逸〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

飄逸の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
雛妓」より 著者:岡本かの子
聘んで元気づけに君に見せてやるか」 逸作は人生の寂しさを努めて紛らすために何か飄逸な筆つきを使う画家であった。都会児の洗練透徹した機智は生れ付きのものだった。....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
六|齣の黙示図は、凄惨冷酷な内容を蔵しながらも、外観はきわめて古拙な線で、しごく飄逸な形に描かれていた。が、確かにこの事件において、それがあらゆる要素の根柢をな....
神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
ったものである。 葛の衣裳を身に纏い、自然木の杖をつき、長い白髯を胸へ垂れた、飄逸洒落な老人と、その侍童の菊丸とが、富士山麓鍵手ヶ原の、直江|蔵人の古館へ、一....
支倉事件」より 著者:甲賀三郎
かと云うような気がする。 殊に上願書の次の件の警吏との問答を読んで見ると、頗る飄逸な所があって、之が今死刑になるかならぬか、冤罪か有罪かと云う大切な瀬戸際を争....
旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
た。就中、当代源七郎君は、生来至っての御濶達。加うるに高貴の御血筋とも思えぬ程の飄逸な御気象に渡らせられたところから、大名共の手土産高を丹念な表に作り、これを道....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
を紅らめさせたこともなかった。父のすることはこの子には、率直というよりも奇異に、飄逸というよりもとっぴに、いかにも変わった人だという感じを抱かせたらしい。彼にし....
灰燼十万巻」より 著者:内田魯庵
ングの複製画があった。英国印刷界を驚倒したメヂチ版の複製画があった。ニコルソンの飄逸な筆に成った現代文豪の肖像画等があった。新らしいものではあるが、是等は大抵多....
文士としての兆民先生」より 著者:幸徳秋水
「百零一」等は実に此種の金玉文字を惜し気もなく撒布した所であった。又著書に於ても飄逸奇突を極めて居るのは「三酔人経綸問答」の一篇である。此書や先生の人物思想、本....
北村透谷の短き一生」より 著者:島崎藤村
影響を及ぼした。)北村君は思い詰めているような人ではあったが、一方には又磊落な、飄逸な処があって、皮肉も云えば、冗談も云って、友達を笑わすような、面白い処もあっ....
茶屋知らず物語」より 著者:岡本かの子
と、どれ」 と言って木戸番の前へ行って合掌礼拝しました。 円通の方は無頓着、飄逸という方です、或る人が此の禅僧に書を頼んだ事がありました。 円通は興にまか....
漱石氏と私」より 著者:高浜虚子
小説見たようになる。最後の降参も上等な意味に於ての滑稽である。あの降参が如何にも飄逸にして拘泥しない半分以上トボケて居る所が眼目であります。小生はあれが掉尾だと....
茶の本」より 著者:岡倉由三郎
たろうと自分は想像する。あの天狗の落とし子のような彼のおいたちがすでに仙人らしい飄逸味に富んでいるが、茶に沸かす川の水の清さを桶の中から味わい分けた物語のごとき....
淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
寒月が禅を談じ俳諧に遊び泥画を描き人形を捻る工房となっていた。椿岳の伝統を破った飄逸な画を鑑賞するものは先ずこの旧棲を訪うて、画房や前栽に漾う一種異様な蕭散の気....
「にんじん」とルナアルについて」より 著者:岸田国士
た。 事実、彼の作品のなかに、傲然とひそんでいる純潔な作家魂は、一見さりげない飄逸軽快な文章の調子によって、往々、見過ごされる危険があるようである。彼の評価は....
フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
ある。いうところによると、美術院の大観観山等の極めて親しいパトロンだそうである。飄逸な反り型の赤ら顔だが、どこかに俗っぽい。好きで酔うと贅六句調で、変な唄ばかり....