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「飛び飛び〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

飛び飛びの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
葉子は岡にそれを見せつけるように取り上げて、取るにも足らぬ軽いものでも扱うように飛び飛びに読んでみた。それにはただあたりまえな事だけが書いてあった。しばらく目で....
放浪」より 著者:織田作之助
をつけ、もっともらしい表紙をつけ、縁を切り揃えて、月遅れの新本が出来上る。中身は飛び飛びの頁で読まれたものでないから、その場で読めぬようあらかじめセロファンで包....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
傘を貸そうというのを断わって出た。半七は手拭をかぶって、尻を端折って、ぬかるみを飛び飛びに渡りながら両国橋を越えた。 川向うの観世物小屋はもう大抵しまっていた....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
官はかねて魔術書で学んでいた二三の呪文を唱えた。すると鵝鳥の胴体は首のある方へと飛び飛びをしながら動き始める、首の方でもまた胴の方へ動いてゆき、結局両方が一緒に....
神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
たのか絹のように輝いて見える。野面は寂しく人気なく、落葉松、山榛の混合林が諸所に飛び飛びに立っているのが老人の歯が抜けたようだ。毒卯木の花が生白く咲き山葡萄の蔓....
転機」より 著者:伊藤野枝
えた。 「さあ、谷中村といっても、残っている家はいくらもありませんし、それも、皆飛び飛びに離れていますからな、何という人をおたずねです?」 「Sという人ですが―....
照葉狂言」より 著者:泉鏡花
かしこに出後れしが、頭巾|被るあり、毛布纏うあり、下駄の包提げたるあり、仕切の板飛び飛びに越えて行く。木戸の方は一団になりて、数百の人声|推合えり。われはただ茫....
銅銭会事変」より 著者:国枝史郎
ン歩いていった。足は谷中へ向いていた。この時代の谷中辺はただ一面の田畑であった。飛び飛びに藁葺きの百姓家があった。ぼんやり春の月が出た。と一軒の屋敷があった。大....
春昼後刻」より 著者:泉鏡花
が聞えるんです。今度は些と近くなって。 それから段々あの橿原の家を向い合いに、飛び飛びに、千鳥にかけて一軒一軒、何処でもおなじことを同一ところまで言って、お銭....
荒蕪地」より 著者:犬田卯
らの通知によると三畝歩ほどの『荒蕪地』を含み、さらに彼は川沿いの畑地を二三ヵ所に飛び飛びに耕作していたが、そこには五畝歩ほどの不毛地――恐らく年々の洪水のために....
隠亡堀」より 著者:国枝史郎
分欠けていた。慈悲円満にも見えなかった。 土手の向うは田圃であった。 稲村が飛び飛びに立っていた。 それは曇天の夕暮であった。 茶がかった渋い風景であっ....
半七捕物帳の思い出」より 著者:岡本綺堂
年の四月頃とおぼえています。そのころ私はコナン・ドイルのシャアロック・ホームスを飛び飛びには読んでいたが、全部を通読したことがないので、丸善へ行ったついでに、シ....
層雲峡より大雪山へ」より 著者:大町桂月
して、ただ「やまべ」釣りの踏みたる跡、右岸にあり。その跡も時々絶えて、岸辺の石を飛び飛びに歩かざるべからず。塩谷温泉までの巌峰だけにても、天下の絶景なるが、これ....
フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
の此方はまたとろりとした一面の閑かさで、腐れたようにも濁っている。劃っているのは飛び飛びの青黒い岩の弧線である。 あ、鳥がいる。 飛び飛びの岩のひとつひとつ....
放浪」より 著者:織田作之助
をつけ、もっともらしい表紙をつけ、縁を切り揃えて、月遅れの新本が出来上る。中身は飛び飛びの頁で読まれたものでないから、その場で読めぬようあらかじめセロファンで包....