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「飛ぶ鳥の〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

飛ぶ鳥のの前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
の使い賃にその印籠をいただいたと思ってごろうじろ。おくだされあそばす殿さまは今が飛ぶ鳥の豆州さまなんだからね。いずれは堆朱《ついしゅ》か、螺鈿《らでん》細工のご....
薤露行」より 著者:夏目漱石
しきに堪えかねて、われとわが頭《かしら》を抑えたるギニヴィアを打ち守る人の心は、飛ぶ鳥の影の疾《と》きが如くに女の胸にひらめき渡る。苦しみは払い落す蜘蛛《くも》....
灯明之巻」より 著者:泉鏡花
に数えるほどで、自動車の音は高く立ちながら、鳴く音はもとより、ともすると、驚いて飛ぶ鳥の羽音が聞こえた。 一二軒、また二三軒。山吹、さつきが、淡い紅に、薄い黄....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
の米友はクルリと背を向けて、また前の方角へ真一文字に走り出しました。前には中空を飛ぶ鳥のような姿勢であったが、今度は形を下段《げだん》に沈めて、槍を一尺ほどにつ....
小公女」より 著者:菊池寛
西の空は金色の光に被われ、地球の上に金の潮を流しているようでした。その光の中に、飛ぶ鳥の姿が黒々と浮んで見えました。 「素敵、素敵。何だか恐ろしいほど素敵な日没....
獄中消息」より 著者:大杉栄
瓦の高い塀を越えて遙か向うにわずかに霞の中にその梢を見せている松の一とむらと、空飛ぶ鳥のほかに、何等生の面影を見ない囚われ人にとっては、それが何だか慰めのような....
万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
は、御妹君は一天万乗の現神の天皇にましますからである。 ○飛ぶ鳥の明日香の里を置きて去なば君が辺は見えずかもあらむ 〔巻一・七八〕 作者不....
高千穂に思う」より 著者:豊島与志雄
は真実であればあるほど、吾々は自然に対する一種の郷愁を感ずる。地上の巣に対する空飛ぶ鳥の郷愁だ。 高千穂山腹の天然林のなかで、都市ははやくも遙か後方に遠ざかる....
田舎医師の子」より 著者:相馬泰三
分から云ってみても、彼等をみだりに乱したりする必要が何であろう。……飛ぶ鳥をして飛ぶ鳥の歌を唄わしめるがいい、野の草をして野の花を咲かしめるがいいのだ。何者がそ....
平塚明子(らいてう)」より 著者:長谷川時雨
のみ囚《とら》われている自分から解きほどかれて、自由な、伸々《のびのび》した、空飛ぶ鳥のような勇躍をおぼえました。わたくしは山は眺めるのを好みます。海の眺めも好....
国号の由来」より 著者:喜田貞吉
る。そして枕言葉の文字が、直ちにその語を表わす文字として使用せらるる例がある。「飛ぶ鳥のアスカ」「春日のカスガ」などがそれで、枕言葉をそのままに「春日」と書いて....
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
感じてしきりにその光を浴びたがっています。その様子を、日蓮聖人は籠の中の鳥が、空飛ぶ鳥の鳴声を聞いて呼び交わそうとしている趣に譬え、禅家の方では卵の中で、いま孵....