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飛上り
「飛上り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
飛上りの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「業平文治漂流奇談」より 著者:三遊亭円朝
\と云って忘れずに文治郎の名を呼んで飛んで居ります。竹を突いて身軽に門番の家根へ
飛上り、又竹を突いてさっと身軽に庭へ下りて、音のせぬように潜み、勝手を知った庭続....
「血の文字」より 著者:黒岩涙香
と思いますよ」此口振は云う迄も無く藻西を真の罪人と思い詰ての事なれば余は椅子より
飛上り「おや/\奥さん、夫では藻西太郎を本統の犯罪人と思召すのですか、ヱ貴女」細....
「李陵」より 著者:中島敦
。 茫然《ぼうぜん》とした虚脱《きょだつ》の状態ですわっていたかと思うと、突然
飛上り、傷ついた獣のごとくうめきながら暗く暖かい室の中を歩き廻《まわ》る。そうし....
「怪談牡丹灯籠」より 著者:三遊亭円朝
故、伴藏は四十を越して此のような若い綺麗な別嬪にもたつかれた事なれば、有頂天界に
飛上り、これより毎日こゝにばかり通い来て寝泊りを致しておりますと、伴藏の女房おみ....
「敵討札所の霊験」より 著者:三遊亭円朝
おやまは驚きまして、 やま「あれえ人殺し」 と云って駈出しました。山之助も驚き
飛上り、又市の髻を把って、 山「姉さんを何うする」 と引きましたが、引かれる途....
「火星兵団」より 著者:海野十三
のに、今はすっかりなおってしまった。そうして筋肉がひきしまって、その場にぴょんと
飛上りたいほどの気持だった。
「ほう、これは不思議だ」
と、千二が目をぱちくり....
「木の子説法」より 著者:泉鏡花
て出ると、我知らず声を立てて、わッと泣きながら遁出したんです。 路地口の石壇を
飛上り、雲の峰が立った空へ、桟橋のような、妻恋坂の土に突立った、この時ばかり、な....
「開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
上の高い処に、海老屋の屋根の天水|桶の雪の遠見ってのがありました。」 「聞いても
飛上りたいが、お妻さん、動悸が激しくって、動くと嘔きそうだ。下へもおりられないん....
「後の業平文治」より 著者:三遊亭円朝
み、如何にして殺害いたしたか、詳しゅう申立てえ」 文「其の夜の丑刻頃庭口の塀に
飛上り、内庭の様子を窺いますると、夏の夜とてまだ寝もやらず、庭の縁台には村と婆の....
「少年・春」より 著者:竹久夢二
とが映り紅を潮した頬には日の光と微風とが知られた。 「母様見て御覧なさい、坊やが
飛上りますよ」 「まあ」 「今度は逆立ち」 「まあ、お上手だこと」 「母様、坊や....
「鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
、手ランプを出して見ましたら、やっと分りました。それは大きな蝦蟇が窓の灯を慕って
飛上り、体が重いのでまたしても地面に落る音なのでした。蹲ってこちらを見る目が光っ....
「雪柳」より 著者:泉鏡花
うつと、仰向けに寝ていて、茶の間の、めくり暦の赤い処が血を噴いた女の切首になって
飛上り飛下りしたのを忘れない。それにもました惑乱です。 のめり込んで、錦爛の裡....
「枯尾花」より 著者:関根黙庵
、坊主は〆たりと思い引上げようとすると、こは如何にその魚らしいものが一躍して岡へ
飛上り、坊主の前をスルスルと歩いて通りぬけ、待網の後の方から水音高く、再び飛入っ....
「六号室」より 著者:瀬沼夏葉
欹てている。と、急に来た人の院長だと解ったので、彼は全身を怒に顫わして、寐床から
飛上り、真赤になって、激怒して、病室の真中に走り出て突立った。 『やあ、院長が来....
「粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)」より 著者:三遊亭円朝
此の野郎」 と云いながら息杖を持って虚無僧の両足を払いますと、虚無僧はヒラリと
飛上り、三島安の頭上から力に任せて切込めば、面部へかけて割付けられ、アッと云って....