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飛乗り
「飛乗り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
飛乗りの前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「血の文字」より 著者:黒岩涙香
は「出来るだけ早く遣れ、バチグノールのレクルース街三十九番館だ」と告げ其身も続て
飛乗りつ只管馬を急し立たり、「はゝア、行く先はバチグノールだと見えますな」とて余....
「暗黒公使」より 著者:夢野久作
擬して動かせず。その隙に乗じ、厩に繋ぎおきたる馬を引き出し、二十余名一斉に裸馬に
飛乗り、包囲せる警官を馬蹄にかけ、拳銃を乱射しつつ有楽町大通りを数寄屋橋に左折し....
「父杉山茂丸を語る」より 著者:夢野久作
じ、そのままの服装で、ポケット四書と丘浅次郎氏の進化論講話を携えて又もタクシーに
飛乗り全速力で博多駅に駈けつけ、富士に乗後れてサクラに間に合った。 途中小郡で....
「松の操美人の生埋」より 著者:三遊亭円朝
とだから大丈夫だと、亭主も急がせまして、前艫が二人、脇艫が二人、船頭一人都合五人
飛乗りまして、板子の下に四布布団を敷いておらんを入れ、 山「窮屈でも少しの間の我....
「駅夫日記」より 著者:白柳秀湖
てあんまり無法なことをするとか、ヤレ自分は工学士で汽車には慣れているから、大丈夫
飛乗りぐらいは出来るとか、まるで酔漢を相手にして話するよりも分らないのです。何し....
「二葉亭余談」より 著者:内田魯庵
めた、下戸もシャンパンを祝うべしだネ!」と周章た格子を排けて、待たせて置いた車に
飛乗りざま、「急げ、急げ!」 こんな周章ただしい忙がしい面会は前後に二度となか....
「四十年前」より 著者:内田魯庵
乱の体でバタバタと駈けて来て、折から日比谷の原の端れに客待ちしていた俥を呼留め、
飛乗りざまに幌を深く卸させて神田へと急がし、只ある伯爵家の裏門の前で俥を停めさせ....
「濹東綺譚」より 著者:永井荷風
如く徒歩して通学した者とはちがって、小学校へ通う時から雑沓《ざっとう》する電車に
飛乗り、雑沓する百貨店や活動小屋の階段を上下して先を争うことに能《よ》く馴《な》....
「つゆのあとさき」より 著者:永井荷風
は電車が近づくのを見ると、早くも折革包《おりかばん》を抱え直して、年寄りのくせに
飛乗りでもしかねまじき様子。清岡は忽《たちまち》興がさめて、 「それじゃ失礼。僕....
「こども風土記」より 著者:柳田国男
もあるらしいが、それにしては双方の動作があまりにちがい過ぎる。察するにあの活溌な
飛乗りの運動に合体したのが後の進化であって、最初はまず唱えごとの耳新しさが、小さ....