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飛出
「飛出〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
飛出の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「国貞えがく」より 著者:泉鏡花
《みがきだ》した良《い》い月夜に、駒《こま》の手綱を切放《きりはな》されたように
飛出《とびだ》して行った時は、もうデロレンの高座は、消えたか、と跡もなく、後幕《....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
両手を突張って礼之進も続いて、どたり。 後からぞろぞろと七八人、我勝ちに見物に
飛出たのがある。事ありと見て、乗ろうとしたのもそのまま足を留めて、押取巻いた。二....
「海神別荘」より 著者:泉鏡花
。 言下に、床板を跳ね、その穴より黒潮騎士、大錨をかついで顕る。騎士二三、続いて
飛出づ。美女を引立て、一の騎士が倒に押立てたる錨に縛む。錨の刃越に、黒髪の乱るる....
「小春の狐」より 著者:泉鏡花
ったのは、その人ただ一人であった。草に縋って泣いた虫が、いまは堪らず蟋蟀のように
飛出すと、するすると絹の音、颯と留南奇の香で、もの静なる人なれば、せき心にも乱れ....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
は爺どので、息を詰めた汗の処へ、今のきゃあ!で転倒して、わっ、と云うて山の根から
飛出す処へ、胸を頭突に来るように、ドンと嘉吉が打附ったので、両方へ間を置いて、こ....
「菎蒻本」より 著者:泉鏡花
というのを、ぐっすり寐込んでいて、真直ぐに運ばれてよ、閻魔だ、と怒鳴られて驚いて
飛出したんだ。お供もないもんだ。ここをどこだと思ってる。 電車が無いから、御意....
「開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
、いちどきに、赫となって、その横路地から、七彩の電燈の火山のごとき銀座の木戸口へ
飛出した。 たちまち群集の波に捲かれると、大橋の橋杭に打衝るような円タクに、 ....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
波打つ呼吸だぜ、何しろ、今や、シャッターを切らむとする三人の姿勢を崩して、窓口へ
飛出したんだ。写真屋も驚いたが、われわれも唖然とした。何しろ、奢るべし、今夜の会....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
「あばれたにも何も、一体名代の代物でごぜえしょう、そいつがお前さん、盲目滅法界に
飛出したんで、はっと思う途端に真俯向に転ったでさ。」 「おやおや、道理で額を擦剥....
「梵雲庵漫録」より 著者:淡島寒月
銭を貰うという事はなく、皆何か芸をしたものだけに、その時々には様々な異ったものが
飛出したもので、丹波の荒熊だの、役者の紋当て謎解き、または袋の中からいろいろな一....
「化鳥」より 著者:泉鏡花
母様にそういって、なぜだか聞いてみようと思ったんだ。 けれど、番小屋へ入ると直
飛出して遊んであるいて、帰ると、御飯を食べて、そしちゃあ横になって、母様の気高い....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
出すその術は、 ファラデーが手本にしたのは愛情で、 二人が逢う刹那と別るる刹那、
飛出す火花は電気じゃないか。 ファラデーはローヤル・ソサイテーで、自分の論文を....
「葛飾砂子」より 著者:泉鏡花
るな。」 坐睡をしていたのか、寝惚面で承るとむっくと立ち、おっと合点お茶の子で
飛出した。 わっしょいわっしょいと謂う内に駆けつけて、 「今晩は。」というと江....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
らわれたのを掻いはだけて、細帯ばかり、跣足でしかも眼が血走り、薪雑木を引掴んで、
飛出したと思うと突然、 「火事だ、」と叫んで、軍鶏を打とうとしたが、打外した。 ....
「活人形」より 著者:泉鏡花
三は血眼に、この室に駈け込み、「この方はどうだろう。あの様子では同じく翼が生えて
飛出したかも知れぬ。さあ事だ、事だ、飛んだ事だ。もう一度見ねばならない。と小洋燈....