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「飛切り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

飛切りの前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
死までを語る」より 著者:直木三十五
云った。 「何」 叫ぶが早いか、大衆作家になる私だ。えいっ、廊下へ飛上った天狗飛切りの術。 「待ってたわいな」 と、奥から出てくる須磨、それを止めようとする....
焦点を合せる」より 著者:夢野久作
海へ這入れば、むろん大儲けさ。欧羅巴全体が敵も味方も咽喉を鳴らして待っている極上飛切りの紅茶バッカリと、金ずくを通り越したお客バッカリ満載しているんだからね。紀....
人間腸詰」より 著者:夢野久作
滅法矢鱈に威勢よく怒鳴っているとドシドシ毛唐が這入って来る。台湾館の中では選抜き飛切りの台湾生れの別嬪が、英語ペラペラで烏龍茶の講釈をしながら一枚八|仙の芭蕉煎....
近世快人伝」より 著者:夢野久作
何かのお礼の意味か何かで、頭山満に千円以上もする銘刀を一口贈った事がある。無論、飛切り上等の拵附きで、刀剣道楽の大立物其日庵主が大自慢のシロモノであったが、その....
共軛回転弾」より 著者:海野十三
あげて、金博士の前に陣を構えているわけである。事は早くなければならない。「博士。飛切り上等の物凄い新兵器として何を提供して頂けましょうか」 「うむ。むにゃむにゃ....
歌行灯」より 著者:泉鏡花
素足の胡坐。 ト裾を一つ掻込んで、 「早速一合、酒は良いのを。」 「ええ、もう飛切りのをおつけ申しますよ。」と女房は土間を横歩行き。左側の畳に据えた火鉢の中を....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
、上へ参るにつれてだんだんに短く、上着は五寸も詰った、もえるのツンツルテン、舶来飛切りでげすよ、羽織がこれ萌黄《もえぎ》の紋綾子《もんりんず》で、肩のあたりが少....
葦笛(一幕)」より 著者:宮本百合子
。小蜂が一匹とんで居る。 第一の精霊 サテサテマア、何と云うあったかな事だ、飛切りにアポロー殿《ドノ》が上機嫌だと見えるワ。日影がホラ、チラチラと笑って御ざ....
ワンダ・ブック――少年・少女のために――」より 著者:ホーソーンナサニエル
この美しい、気持のいい世界の様子を更に引立てて見せる上天気のうちでも、今日はまた飛切りの上天気になりそうだった。しかし、今のところ、霧はまだ谷間の長さ一杯、幅一....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
私にそういうところがあるということについて悲しく思います。自分が、あんこで云えば飛切り上等というところまで火が入ってねりがきいていず、ざらついたり水っぽかったり....
染吉の朱盆」より 著者:国枝史郎
気に向かないと作りませんので、珍重されておりますよ。だが染吉の作にしても、これは飛切り上等の方で、一代の傑作と申されましょう。……ええと年はまだ若く、二十八の独....
接吻」より 著者:神西清
では奥さんと言葉を交してからは一段と愛想よくにこにこしはじめて、今夜の俺はなんて飛切り上等の人たちに取巻かれているんだろうと考えていた。…… 夜食の卓についた....
妾宅」より 著者:永井荷風
無類|飛切《とびき》りとして誇るには足りないような気がする。然らば何をか最も無類飛切りとしようか。貧乏臭い間の抜けた生活のちょっとした処に可笑味《おかしみ》面白....
洛北深泥池の蓴菜」より 著者:北大路魯山人
ものだ。 そこで、どこのじゅんさいが一番よいかと言うと、京の洛北|深泥池の産が飛切りである。これは特別な優品で、他に類例を見ないくらい無色透明なところてん袋が....