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飛瀑
「飛瀑〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
飛瀑の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「草枕」より 著者:夏目漱石
に至っては許しがたい。昔し巌頭《がんとう》の吟《ぎん》を遺《のこ》して、五十丈の
飛瀑《ひばく》を直下して急湍《きゅうたん》に赴《おもむ》いた青年がある。余の視《....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
か彼方に大|斜面が延びていたがすなわち富士の山骨であって、大森林、大谿谷、谷川、
飛瀑を孕みながら空へ空へと延している。その中腹に雲が懸かり、雲を貫いて、八の峰が....
「試験管」より 著者:寺田寅彦
ながめた。煤煙にとざされた大都市の空に銀河は見えない代わりに、地上には金色の光の
飛瀑が空中に倒懸していた。それから楼を下って街路へおりて見ると、なるほどきょうは....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
《あ》せた緋《ひ》もうせんを敷いて一人の翁が端座している。
銀糸を束ねた白髪、
飛瀑《ひばく》を見るごとき白髯、茶紋付《ちゃもんつき》に紺無地|甲斐絹《かいき》....
「小春」より 著者:国木田独歩
り。 あの時は山羊のごとく然り山野泉流ただ自然の導くままに逍遙したり。あの時は
飛瀑の音、われを動かすことわが情のごとく、巌や山や幽※なる森林や、その色彩形容み....
「我が人生観」より 著者:坂口安吾
川の趣きではなくて、流れの全部が段をなした瀑布であり、四方にはホンモノの数百尺の
飛瀑も落下している。音があると思う人には、これぐらいウルサクて頭痛の種のところも....
「野萩」より 著者:久生十蘭
ある。こういうのが、このごろの趣味らしいが、それにしても、ふしぎなながめだった。
飛瀑障りというのか、池のむこうの小滝を、楓の真木が一本、斜めに切るように滝壺のほ....
「二葉亭余談」より 著者:内田魯庵
ストエフスキーを読んで落雷に出会ったような心地のした私は更に二葉亭に接して千丈の
飛瀑に打たれたような感があった。それまで実は小説その他のいわゆる軟文学をただの一....
「白峰の麓」より 著者:大下藤次郎
れの跡が幾カ所かあった。道は平ではない。早川の水が堰かれて淵を成すところ、激して
飛瀑を成すところ、いずれもよき画題である。長い釣橋を右に見てそれを渡らずに七、八....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
庁舎の押上げ窓の硝子を透かして。 目も彩な花壇の紅が、紫が、雪白が飜った。雨の
飛瀑が襲来した。 フィルム。フィルムの急速度の線、線、斜線、 前面の菜圃が。....
「ユモレスク」より 著者:久生十蘭
いてある。こういうのがこのごろの趣味らしいが、それにしてもふしぎなながめだった。
飛瀑障《ひばくざわ》りというのか、池のむこうの筋落《すじお》ちの小滝を楓の真木《....
「黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
きなり脚もとの雪の洞穴に落ちこんでいる。其上流を望むと、谷は益々狭くなって、尚お
飛瀑が続くらしいが、鋭く左に屈曲しているので判然しない。 右の谷は頗る急な、岩....