飛石伝い[語句情報] »
飛石伝い
「飛石伝い〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
飛石伝いの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「あらくれ」より 著者:徳田秋声
そうに眺めていた。
「ここの庭さ、己《おれ》が手を入れたというのは……」壮太郎は
飛石伝いに、築山《つきやま》がかりの庭へ出てゆくと、お島に話しかけたが、そこから....
「根岸お行の松 因果塚の由来」より 著者:三遊亭円朝
助《いのすけ》さんではないかと思ったから、高褄《たかづま》をとって庭下駄を履き、
飛石伝いに段々|来《きた》って見ると、擬《まご》うかたなき伊之助でござりますから....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
間にあわせにつくろっていると、雪を踏む下駄の音がきこえて、門の中からこの間の女が
飛石伝いに出て来た。 「まあ、いつの間にか積ったこと」 独り言を云いながら、彼....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
や梅などが植えてあった。垣根の際には一本の高い松がひょろひょろと立っていた。彼は
飛石伝いに庭の隅々を調べてあるいたが、外からはいって来たらしい足跡は見えなかった....
「仮装人物」より 著者:徳田秋声
であったが、洋館の長い廊下を右に折れて少し行くと、そこから石段をおりて、暗い庭の
飛石伝いに、ボオイの案内で縁側から日本間へ上がって、やっと落ち着いたのは、二階の....
「怪談牡丹灯籠」より 著者:三遊亭円朝
てはいるものゝ、血は溢れてぼたり/\と流れ出す。飯島は血に染みたる槍を杖として、
飛石伝いにヒョロ/\と建仁寺垣の外なる花壇の脇の所へ孝助を連れて来る。孝助は腰が....
「松の操美人の生埋」より 著者:三遊亭円朝
た、あれを切って持って来い、さア此方へ、此処から行かれます」 と庭下駄を穿いて
飛石伝いに庭の離座敷へ行って差向になりました。 半五「何か御用でございますか」 ....
「『井伏鱒二選集』後記」より 著者:太宰治
作家同士が、ほとんど親戚同士みたいな近い交際をしている場合、甚だ微妙な、それこそ
飛石伝いにひょいひょい飛んで、庭のやわらかな苔を踏まないように気をつけるみたいな....
「大捕物仙人壺」より 著者:国枝史郎
部屋を抜け出し裏庭の方へ行って見た。木戸の向うに人影が見えた。下駄を突っかけると
飛石伝いに窃と其方へ小走って行った。燈火の射さない暗い露路に小供が一人立っていた....
「善悪両面鼠小僧」より 著者:国枝史郎
う。朝寝坊にも際限があるよ、どれ行って起こしてやろう」 裏に造られた離れ座敷へ
飛石伝いに行って見た。 ピッシリと雨戸が締まっている。 「もー、お起きなさいよ....
「田舎医師の子」より 著者:相馬泰三
した。それがすむと、房子が彼を案内して庭へ出た。梅や、楓や、青桐やの植込みの間を
飛石伝いに離屋の前へ立つと、 「兄さんのいらっしゃるのに、この室が一等いいと思っ....
「二階から」より 著者:岡本綺堂
あろう。私の稚い眼には格別の美人とも見えなかった。店の入口には小さい庭があって、
飛石伝いに奥へ這入るようになっていた。門の際には高い八つ手が栽えてあって、その葉....
「澪標」より 著者:外村繁
》、五葉松、檜、椎、ゆずりは、山茶花等が植え込まれている。楓も目立って多い。私は
飛石伝いに歩いて行った。 「苔を下駄で踏むと、おこられるぞ」 「ようおこる家《え....
「粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)」より 著者:三遊亭円朝
り出て、そっと音のしないように雨戸を明け、室着の儘で裾を敷いたなりで、そろ/\と
飛石伝いに、敷松葉の一ぱいに敷詰めて有る横庭に下りると、余り大きくは有りませんが....
「和製椿姫」より 著者:大倉燁子
あった。勿論芸者でも、女優でもない。お妾商売とでも云うようなもので、男から男へと
飛石伝いに歩いているような類だった。そして、東山春光の懐へ入って、そこを最後の落....