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「飛礫〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

飛礫の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
煩悩秘文書」より 著者:林不忘
眼を配るとき、風は、いつの間にか烈しくなっていて――ぱら、ぱら、ぱらと屋根を打つ飛礫《つぶて》のような雨の一つ、ふたつ。 どうやらお山荒れは、免《まぬか》れな....
常識」より 著者:豊島与志雄
すれすれに顔だけ覗き出していた。「お電話ですよ。富永さんから……。」 はっと、飛礫《つぶて》を投げられたようなもので、息をつめてから、岡部はいきなり立上って、....
一つの愛情」より 著者:豊島与志雄
文学者のところには、未知の人々から、いろいろな手紙が舞い込んでくる。威勢よく投げこまれた飛礫のようなのもあれば、微風に運ばれてくる花の香のようなのもある。それらが、文学....
雪の宿り」より 著者:神西清
ありと玄浴主の眼の色に読みとられる。 それにもう一つ、貞阿にとって全くの闇中の飛礫であったのは、去年の夏この土地の法華寺に尼公として入られた鶴姫のことが、いた....
大鵬のゆくえ」より 著者:国枝史郎
低く背後へ引く。気息充分籠もると見て一度に颯と切って放す。と、あたかも投げられた飛礫か、甲乙なしに一団となり空を斜めに翔け上った。 家斉公は云うまでもなく五十....
紅白縮緬組」より 著者:国枝史郎
女の持っていた種ヶ島は手から放れて地に落ちた。 奴姿の大男が人家の軒から投げた飛礫が若衆の危難を救ったのである。若衆は刀を投げ捨てると、飛燕のように飛び込んで....
南蛮秘話森右近丸」より 著者:国枝史郎
。 「汝等来るか!」と物凄い声がふたたび森林から聞こえたが、すぐにバラバラバラと飛礫が雨のように降って来た。 だが恐れない二人であった。サーッと上へ駈け上る。....
名人地獄」より 著者:国枝史郎
のは、このお艶に他ならない。 そうして丑松をそそのかし、例の「あ」と「い」の紙飛礫を、投げさせたのも彼女であった。彼女にいわせるとその「あい」は、「愛」の符牒....
剣侠」より 著者:国枝史郎
十郎は、澄江の背を拝み打ち! 切ろうとした一刹那風を切って、浪之助の投げた石|飛礫が、陣十郎の額へ来た。 「チェーッ」 片手で払い落とした隙を、ドッとあて!....
五右衛門と新左」より 著者:国枝史郎
づつ摘み、ばり/″\と投ければ、御辺は卒爾を、人にしかけるものかなといふ中に、又飛礫を雨のごとくに打ければ、総見物ども入乱て、このうちに馬鹿者こそ有遁すまじとて....
坑鬼」より 著者:大阪圭吉
と思った。音よりも先に激しい気圧が耳を、顔を、体をハタッと撃って、なにか無数の泥飛礫みたいなものがバラバラッと顔中に打当るのをボンヤリ意識しながら、思わずよろめ....
釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
った。さんざん考えあぐんだ末生易しい兵法ではいけないと見て、お艶の影を認め次第|飛礫《つぶて》の雨を降らせるようにと番頭小僧へ厳命を下しておいたが、その結果は、....
法然行伝」より 著者:中里介山
せんじゃく》」という書を作って「汝《なんじ》が僻破《へきは》の当らざること暗天の飛礫の如し」と云うたので、定照愈々憤りを増し、事を山門にふれて、衆徒の蜂起をすす....
幼年時代」より 著者:室生犀星
間に、自然ととり交わされた礼節が、子供らの敏感な心を柔らげるのであった。 私は飛礫を打つことが好きであった。非常に高い樹のてっぺんには、ことに杏などは、立派な....