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飛竜
「飛竜〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
飛竜の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「少女病」より 著者:田山花袋
望は遂げられなかった。電車は紳士やら軍人やら商人やら学生やらを多く載せて、そして
飛竜のごとく駛り出した。 トンネルを出て、電車の速力がやや緩くなったころから、....
「金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
を閉じた。月の光をたよりに女は、静かに泣顔をハンドミラーで繕っていた。熱いものが
飛竜のように復一の胸を斜に飛び過ぎたが心に真佐子を念うと、再び美しい朦朧の意識が....
「大衆文芸作法」より 著者:直木三十五
もされ読者諸君も御承知のように、南米の人跡未踏の内地に、前世界の動物である恐竜や
飛竜や類人猿なぞが棲息している高地を探険する物語で、科学的智識に豊富なる空想力を....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
を意味せるが多かろうが、平生飲む方に忙しき故、手を着けなんだ。それから今の学者が
飛竜《ドラゴ》と呼び、インドのマドラスや後インドに二十種ばかり産する蜥蜴ありて、....
「ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
サ……その苦しみをヤッと通り越したと思うと今度は、山のような歩竜の趾の下になる。
飛竜の翼に跳ね飛ばされる。始祖鳥の妖怪然たる嘴にかけられそうになる。……アアたま....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
ル辺の山に翼ある蛇、樹から樹へ飛ぶと言ったは、只今英語でフライイング・ドラゴン(
飛竜)と通称する蜥蜴の、脇骨長くて皮膜を被り、それを扇のごとく拡げて清水の舞台か....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
。その形、よく伝説のバシリスクに似る故、セバ始めてこれを記載し、バシリスク、また
飛竜と名づけた。けだしこの人その起伏する長鰭を以て飛び翔《か》ける事、世に伝うる....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
沖田総司のことが、主としてここで話題の人気になってくる。まことや沖田は近藤門下の
飛竜であって、小太刀を使わせての俊敏、たとうべくもない。近藤、土方の片腕と恃《た....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
、なお読み進んで行くと、 「九三君子終日乾乾夕※若※无咎 九四或躍在淵无咎九五
飛竜在天利見大人」 いよいよ読み進んで、いよいよ何のことかわからなくなる。 ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
岩山がある。二千十八米突の雲取山がある。それから武州御岳との間に、甲斐《かい》の
飛竜、前
飛竜がある。御前と大岳《おおたけ》を前立てにして、例の大菩薩連嶺が悠久に....
「三つの悲憤」より 著者:豊島与志雄
の澆水のつきるところ、高廊の朱の柱が眼にしみると、もう先へは進みかねて、そこの、
飛竜の形の岩に身をなげかけ、さめざめと泣きました。 時たって、高廊の上に、周家....
「昭和遊撃隊」より 著者:平田晋策
いのだ。 「では、行くぞッ。」 武田博士の声と一しょに、十三|糎《サンチ》砲が
飛竜のような火をはいた。―― それから後の戦闘は、アーサー少年にとって、思い出....
「美味い豆腐の話」より 著者:北大路魯山人
、実に美味い。あえて煮るまでもない。焼き豆腐はいうに及ばず、揚げ豆腐に拵えても、
飛竜頭に拵えても、これが豆腐かと疑われるばかりに美味かった。湯豆腐に舌鼓を打って....