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飛翔
「飛翔〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
飛翔の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「Kの昇天」より 著者:梶井基次郎
その時刻の激浪に形骸の翻弄《ほんろう》を委《ゆだ》ねたまま、K君の魂は月へ月へ、
飛翔《ひしょう》し去ったのであります。....
「勲章を貰う話」より 著者:菊池寛
ちの一機が、夏の日に、輝いて流れるヴィスワ川の上空から、ワルシャワの街の上を低く
飛翔《ひしょう》しながら多数の紙片を撒いた。その紙片には、 「木曜日にワルシャワ....
「時代閉塞の現状」より 著者:石川啄木
にまぎれこんでいた「科学」の石の重みは、ついに我々をして九皐《きゅうこう》の天に
飛翔《ひしょう》することを許さなかったのである。 第三の経験はいうまでもなく純....
「地球発狂事件」より 著者:海野十三
に耐えたばかりか、その巨力に跳ね飛ばされて実に七十|哩《マイル》を越える長距離を
飛翔し、ヘルナー山に激突したのであるが、既に知られるとおり船形も殆んど崩れず、世....
「空中墳墓」より 著者:海野十三
は中天に赫々と輝いていた。 「天文台へ!」 わが搭乗機だけが機首を西南に向けて
飛翔する。プロペラはものすさまじい悲鳴をあげていた。すれちがう毎に他の飛行機から....
「恐しき通夜」より 著者:海野十三
めに、実は偽りの報告をしたのだった。事実はこうだった、いいかね。あのとき、洋上を
飛翔していた儂は、いつの間にやら僚機から遠く離れてしまっているのに気がついたのだ....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
覚えているよ」千手大尉が悲鳴をあげた。 「まァいい、聞け。――本艦搭載の偵察機を
飛翔せしめ、赤外線写真を以て撮影せしめたる米国聯合艦隊の陣容を報告すべし。先ずメ....
「地球盗難」より 著者:海野十三
る異様なる動物を……。 まず最初に目についたのは、第一号という檻の中にバタバタ
飛翔している烏ぐらいの大きさの黒い鳥――と思ったのが目の誤りで、よくよく見ると身....
「不尽の高根」より 著者:小島烏水
母の顔に見えまつるが如く、しみじみと見ているのだ。 今にも大野原の上を、自由に
飛翔しようとする大鳥が羽翼を収めて、暫く休息している姿勢を、富士は取っている。空....
「臨時急行列車の紛失」より 著者:新青年編輯局
にされてしまうのだ。しかもその爆弾は今まさに南|亜米利加から、巴里の空|目蒐けて
飛翔の準備中であるという警鐘は乱打されているのだ。そこで、どうしてもカラタール氏....
「フランケンシュタイン」より 著者:シェリーメアリー・ウォルストンクラフト
まとった山頂、きらきら光る尖峯、松の林、ごつごつしたむきだしの峡谷、雲のあいだを
飛翔する鷲――そういうものが、私のまわりに寄り集まって、安らかなれと告げるのだっ....
「採峰徘菌愚」より 著者:佐藤垢石
とあるが、ほんとうにおいしいのは、既に肢翅成って巣蓋を破り、まさに天宙に向かって
飛翔の動作に移らんとするまで育ったのが至味というのである。それを生きているまま食....
「旅客機事件」より 著者:大庭武年
を三枝の持つ雰囲気から受けた。 「変だなあ、こいつ――」 丁度その時、前方から
飛翔して来たP民間飛行場のアブロ練習機が、見事なインメルマン・ターンをして、ピタ....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
、紫が見え、青い海が見え、檣が見え、私たちの高麗丸が見え、ああそうして、白い鴎の
飛翔が見えた。 いや、それよりも、私たちの立っている広庭のこの輝きは、微風は、....
「ベートーヴェンの生涯」より 著者:片山敏彦
衝角〔〕のように投げ飛ばされ、石の切れっぱしのように、空にかかった物体のように、
飛翔の途中で停められる。――そして最後に、息をはずませているフォルテシモ(最強音....