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飛脚
「飛脚〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
飛脚の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「籠釣瓶」より 著者:岡本綺堂
なんといっても親《しん》は泣き寄りで、まさかに情《すげ》なくも追い返すまい。実は
飛脚を頼むつもりできのうから手紙を書いておいたから、これを持って行けば判るといっ....
「心中浪華の春雨」より 著者:岡本綺堂
に、ふとした事から秘密が破れて、彼の仲間の一人が召捕られた。長崎の奉行所からは早
飛脚《はやびきゃく》に絵姿を持たして、彼の召捕り方を大坂の奉行所へ依頼して来た。....
「吉良上野の立場」より 著者:菊池寛
……ざっと半分近いのでは、勅使に失礼に当るからなあ」 「困った」 「困ったな。急
飛脚でも立てて、国元の大野か大石かに殿を説いてもらう法もあるが、大野は吝《けち》....
「藤十郎の恋」より 著者:菊池寛
の中に黙読する、最後に至りて声を上げる)こんどの狂言われも心に懸り候ままかくは急
飛脚をもって一筆呈上仕り候。少長どのに仕負けられては、独り御身様の不覚のみにては....
「国貞えがく」より 著者:泉鏡花
ちょいちょい見懸ける男だが、この土地のものではねえの。越後《えちご》へ行《ゆ》く
飛脚だによって、脚《あし》が疾《はや》い。今頃はもう二股《ふたまた》を半分越した....
「桶狭間合戦」より 著者:菊池寛
ある煙だったのである。人馬を急がせて古鳴海の手前の街道まで来ると、戦塵にまみれた
飛脚の兵に出会った。丸根落ちて佐久間大学、飯尾近江守只今討死と告げるのを信長聞い....
「賤ヶ岳合戦」より 著者:菊池寛
、今日の敵は盛政なり」と云った。 賤ヶ岳七本槍之事 桑山修理亮の
飛脚が、大垣の秀吉の許に着いたのは、四月二十日の正午頃であった。秀吉使いに向い、....
「白金之絵図」より 著者:泉鏡花
「滅相もない事を。老人若い時に覚えがあります。今とてもじゃ、足腰が丈夫ならば、
飛脚なと致いて通ってみたい。ああ、それもならず……」 と思入ったらしく歎息した....
「幸福のうわおいぐつ」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
は、二千万マイル以上の旅を、八分と二、三秒ですませてしまいます。ところで電気の早
飛脚によれば、たましいは、太陽と同じ道のりを、もっと少い時間でとんでいってしまい....
「火星の芝居」より 著者:石川啄木
』 『面白いものでもあったか?』 『芝居を見たんだ』 『そうか。日本なら「冥途の
飛脚」だが、火星じゃ「天上の
飛脚」でも演るんだろう?』 『そんなケチなもんじゃな....
「魚妖」より 著者:岡本綺堂
郎はそれに対して返事もしなかった。 こうして一年ほど過ぎた後に、江戸から突然に
飛脚が来て、養父はこのごろ重病で頼みすくなくなったから、どうしても一度戻って来い....
「藤十郎の恋」より 著者:菊池寛
可なり烈しい芸術的な苦悶が、渦巻いているのであった。 彼が、近松門左衛門に、急
飛脚を飛ばして、割なく頼んだことは、即座に叶えられたのであった。今までの傾城買と....
「拷問の話」より 著者:岡本綺堂
櫛のうちで、二枚は遠州掛川宿へ積み送るつもりで他の品物と一所に柳行李に詰め込み、
飛脚問屋佐右衛門方へ托しておいたのを、町方の手で押収された。その櫛はたしかに自分....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
指して帆をあげ去った。エリザベスは激怒した。次から次へとひっきりなしにプリムスへ
飛脚をたて、伝馬船隊をして海峡中を捜査せしめた。ドレイクへあてての怒りにあふれた....
「宝永噴火」より 著者:岡本かの子
対してひどく反感を持ち始めた。 ある日慧鶴は井戸端で肌着を洗濯して居た。其処へ
飛脚が来て肌着に添えた駿河からの母親の手紙を一本と、序とあって橘屋の主人からの手....