飛降り[語句情報] »
飛降り
「飛降り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
飛降りの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
まで行く。が、省線電車は五反田の手前でエンコをしてしまい動こうともしない。そこで
飛降りて堤下に至り、路をあるく。もちろん日野校をはじめ界隈は焼野原であった。五反....
「デパートの絞刑吏」より 著者:大阪圭吉
朝五時半。社からの電話を受けた私は、喬介と一緒にRデパートへ、その朝早く起こった
飛降り自殺のニュースを取るために、フルスピードでタクシーを飛ばしていた。 喬介....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
そうですね、どうもそうらしかったですよ」 どうして怪我をしたのか知ら。二階から
飛降りた時かしら。 石子は鳥渡考えて見たが、もとより分る筈がなかった。 「では....
「家」より 著者:島崎藤村
る音がした。 復た家の内は寂寞に返った。 車が門の前で停った。正太はそれから
飛降りて、閉めてあった扉を押した。「延ちゃん、皆な帰って来ましたよ」正太が入口の....
「相馬の仇討」より 著者:直木三十五
時、 「おっ――曲者《くせもの》っ」 どんと身体《からだ》を雨戸へ当てて、庭へ
飛降りる。戸の上へ転ぶ、そのはずみ刀を雨戸へ突刺してしまったが、抜取るひまがない....
「寛永武道鑑」より 著者:直木三十五
を向けて、睨みながら、じりじり迫ったので、半兵衛は、槍に心を取られたまま、馬から
飛降りて、刀を抜くと、槍持に 「槍を、早く」 と、叫びつつ、迫る士に、刀を構え....
「死のなかの風景」より 著者:原民喜
が、ふと誰かが立上ると、急に皆の表情が変っていた。人々はてんでに窓から地面の方へ
飛降りてゆく。彼にもそれが何を意味しているのか直《す》ぐにわかった。人々の後につ....
「神鷺之巻」より 著者:泉鏡花
、勿体ない、観音様に投げうちをするようなと、手が痺れて落したほどです。夜中に谷へ
飛降りて、田沢の墓へ噛みつこうか、とガチガチと歯が震える。……路傍のつぶれ屋を、....
「後の業平文治」より 著者:三遊亭円朝
よ」 町「いえ/\何が居ても構いません、後へ/\、何故そう急ぐのです、私はもう
飛降りますよ」 舁「やい女郎、静かにしろ、もう後へ往くも先へ往くもねえ、此処は....
「僕はもう治っている」より 著者:坂口安吾
僕はもう治っている 坂口安吾 今日(四月七日)どこかの新聞にボクが東大神経科の三階から
飛降り自殺をしたという記事が出た由、朝来各社の記者と写真班がつめかけて、撃退に往....
「怪異暗闇祭」より 著者:江見水蔭
鹿を云うな。二人の前でも、後でも、右でも、左でも、空地はある。どちらへでも勝手に
飛降りろ」 「だから貴様等の夜目は役に立たないんだ。まだ暗闇が見えるというところ....
「荘子」より 著者:岡本かの子
の一つが轍を鳴らして来たが荘子の前へ来ると急に止まって御者台の傍から一人の佝僂が
飛降りた。近付いて来ると 「荘先生ではありませんか、矢張り荘先生だった」 と云....
「画工と幽霊」より 著者:岡本綺堂
座敷は再び旧の闇、彼の恐しい婦人の姿も共に消えて了った、私は転げるように寝台から
飛降りて、盲探りに燧木を探り把って、慌てて座敷の瓦斯に火を点し、室内昼の如くに照....
「空中征服」より 著者:賀川豊彦
思います……ちょっと待って下さい……今、聞いて来ますから」 賀川市長は二階から
飛降りて、行列の一人に尋ねた。 「君、いったい、この示威運動は何の目的ですか? ....
「蘭郁二郎氏の処女作」より 著者:大倉燁子
り気な彼女に捨てられる。恋に破れた彼は彼女を遂に殺し、その死体を抱いて飛行機から
飛降り心中をするという終端まで一気に読んでしまった。そしてその後もなお妖しき興奮....