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食える
「食える〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
食えるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
めた缶詰だよ。」
田宮は唇を嘗《な》めまわしては、彼等二人を見比べていた。
「
食えるかい、お前、膃肭獣《おっとせい》なんぞが?」
お蓮は牧野にこう云われても....
「初めて見たる小樽」より 著者:石川啄木
と活動と、この二つさえあれば、べつに刺身や焼肴《やきざかな》を注文しなくとも飯は
食えるのだ。 予はあくまでも風のごとき漂泊者である。天下の流浪人である。小樽人....
「親子」より 著者:有島武郎
腹が立ってくるのです。これもしかたがないと思うんですが、……」 「遊んでいて飯が
食えると自由自在にそんな気持ちも起こるだろうな」 何を太平楽を言うかと言わんば....
「日本脱出記」より 著者:大杉栄
奮発して、そこのいいお得意様になった。もう一フラン出せば、その辺では立派な夕飯が
食えるんだ。 二 しかし僕だって、そんな安ホテルで野蛮人のような生活ばかりして....
「獄中記」より 著者:大杉栄
俊寛、左様なら。」 とからかってその建物を出た。 千葉の巻 うんと鰯が
食えるぜ が、また半年も経つか経たぬ間に、こんどは例の赤旗事件で官吏抗拒治安警....
「少年探偵長」より 著者:海野十三
ねをしやがったぜ。いったい、あの木の根元に何を埋めたのか、ちょっくら見てやろう。
食えるものなら、さっそくごちそうになるぜ」空腹を感じていると見え、そのひげの男は....
「三十年後の世界」より 著者:海野十三
、さあ来たよ。なるほど、この大木め、いやにぶかぶかしているよ。これなら料理すれば
食えるね。すこし切って持っていこう」 キンちゃんは、小刀《こがたな》をだして巨....
「宇宙戦隊」より 著者:海野十三
宙線を食って生きている奴だ』と、謎のような言葉をはいたが、宇宙線てなんだろうね。
食えるものかしらん」 誰もそれについて、はっきり答えられる者がなかった。 「宇....
「太平洋魔城」より 著者:海野十三
よしと、あとは飯をくわせてやれ。酒もすこしばかりつけてやれ。だがこの悪臭の中で、
食えるかな」 衛兵長が、そういいながら出ていこうとするので、五人の部下はおどろ....
「かの女の朝」より 著者:岡本かの子
、どっちが世の中の為めになるかってこと考えて御覧なさい。世の中には食えない人より
食える人の方がずっと多いのだから、私の小説は、その
食える人の方の読者の為めに書い....
「獄中消息」より 著者:大杉栄
いうちに来たのだから、万事に馴れていて、はなはだ居心地がいい。飯も初めから十分に
食える。ただ寒いのには閉口するが、これとても火の気がないというだけで、着物は十分....
「一利己主義者と友人との対話」より 著者:石川啄木
時に飛び込んで、自分の好きな物を食った方が可じゃないか。(間)何でも好きなものが
食えるんだからなあ。初めの間は腹のへって来るのが楽みで、一日に五回ずつ食ってやっ....
「私の活動写真傍観史」より 著者:伊丹万作
いた。 私の志望はこのときはつきりしていなかつた。要するに何とかして自分の力で
食えるようになりさえすればよいというのでそれ以外に欲望はなかつた。すると伊藤が脚....
「北斗帖」より 著者:違星北斗
うまい三平汁吸う 骨折れる仕事も慣れて一升飯 けろりと食べる俺にたまげた 一升飯
食える男になったよと 漁場の便り友に知らせる 此の頃の私の元気見てお呉れ 手首つ....
「ドモ又の死」より 著者:有島武郎
っちにやってくれ……おいみんな手伝えな……一時間の後には俺たちはしこたまご馳走が
食える身分になるんだ。生蕃、そんな及び腰をするなよ。みっともない。……これでだい....