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食べ出
「食べ出〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
食べ出の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「明暗」より 著者:夏目漱石
》りながら、下女の持ってきた木皿を受取って、すぐその中にある餅菓子《もちがし》を
食べ出した。
「今頃お八《や》ツ? このお皿を見ると思い出すのね」
お延は自分....
「火」より 著者:横光利一
ので、母が持って来てくれるまでに御飯を食べてしまわないようと少しずつ遅くかかって
食べ出したが、何日《いつ》の間《ま》にかお腹が膨《ふく》れて来た。 彼が食べ終....
「モルモット」より 著者:細井和喜蔵
ると、けものは大分なれた如くグルグル、グルグルッと喉を鳴らして食い振りよく餌さを
食べ出した。 彼女は、何時しか夜ふかしを補うための昼眠におちいって了った。と、....
「艸木虫魚」より 著者:薄田泣菫
ちにいた鷹の子が好いて食べたものだ。」 といって、いきなり箸をとって、うまそうに
食べ出した。そしてそれからというものは、平気で肉食をしつづけたということだ。 ....
「旅の絵」より 著者:堀辰雄
が聞えてくる。……しかしそれは誰かがまだ朝飯を食べているのか、それとももう昼飯を
食べ出しているのか、わからない。……どうも具合がへんだから、私はドアを開け放しに....
「幼年時代」より 著者:堀辰雄
は私と同じような小さなアルミニウムのお弁当箱をひろげて、きゃっきゃっと言いながら
食べ出していた。例の少女のところでは、二人の小間使いが代る代る立ったり腰を下ろし....
「宝島」より 著者:佐々木直次郎
で相談に乗るよ、ハンズ君。言ってみ給え。」と私は言った。そしてまたむしゃむしゃと
食べ出した。 「この男はな、」と彼は、死骸を力なく頤で示しながら、言い始めた。―....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
ら言った。次郎は返事をしなかったが、差し出されると、今度はすぐ受取って、ぱくぱく
食べ出した。 お祖母さんとお芳とがいっしょに笑い出した。 「さあ、もうきまり悪....
「夏の夜の冒険」より 著者:平林初之輔
に腰をかけた。 そして、バターをつけたパンをうまそうにむしゃむしゃ非常な速度で
食べ出した。そのうちにライスカレーもできてきた。 食事をとると、子供は見る見る....
「味覚馬鹿」より 著者:北大路魯山人
、料理も冷めて、不味くなったものを食わねばならぬ。しかも、遠慮した奴にかぎって、
食べ出せばたいがい大食いである。 * 腹が空ってもひもじゅうない、と....