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食わせ者
「食わせ者〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
食わせ者の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「忠直卿行状記」より 著者:菊池寛
を僻《ひが》んで解釈した。家老たちが、ある男を推薦して褒め立てると、彼はその男が
食わせ者のように思われて、その男を用うることを、意地にかかって拒んだ。国老たちが....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
へいって、気に入るように締めあげてきなよ」 「え……?」 「えじゃないよ、とんだ
食わせ者にもほどがあらあ。幽霊水の下手人は、墨田舎二三春《すみだやふみはる》と事....
「戦雲を駆る女怪」より 著者:牧逸馬
に信じられている彼女の死の自伝なるものが、全部創作だった。 どこからどこまで、
食わせ者だったのである。 が、珍しい美人だったことは伝説ではない。これだけは現....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
もいっこう悪い顔をしないのは、お人好しで全く気がつかないのか、或いは自分が相当の
食わせ者であるだけに、気がついても、見て見ないふりをしているのか。一方からいえば....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
、ぴったりと当てはまる。虫も殺さぬような面《かお》をして、あれで駒井もなかなかの
食わせ者だが、これを擒《とりこ》にしたお角の腕も確かに凄《すご》い。いやまた腕の....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
だな。しかし死病の人が生き返ったり、バカが利巧になることはあるまい。あの志呂足は
食わせ者さ。東太を憐れむ余りとはいえ、あんな
食わせ者に屋敷をかしたお前もバカだな....
「仇討姉妹笠」より 著者:国枝史郎
うれ、そうれどうだ! 荏原屋敷まで知っている汝、どうでも平記帳面の侍じゃアねえ!
食わせ者だア――食わせものだア――ッ……わーッ」 と、これはどうしたことだろう....
「村井長庵記名の傘」より 著者:国枝史郎
金のためには義理ある弟さえ、殺そうとする悪党もある。私から見れば間瀬とか云う男、
食わせ者の銀流し、太い野郎に思われますなあ」 自分がこれから遂げようとする、極....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
うとい老学者と、手加減をみせておけばよい気になりおる。それっ、ひきずり出せ。この
食わせ者を」 「源五、そこらの兵どもも、下にいろ。あとで後悔せぬがいいぞ」 「な....
「野槌の百」より 著者:吉川英治
、鹿のように、先へ走って行くのが見えた。 「二本差と思って油断していたら、ひどい
食わせ者だ」 「ちょんのまに、いかさまで、四十両ほどせしめやがった」 「うまく、....
「はつ恋」より 著者:神西清
や事件を起こしていて――それも|卑しい金銭問題なのだから――てっきりとんでもない
食わせ者に違いない、といった散々の評判だった。それでいながら母は、あの夫人を娘さ....