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食前
「食前〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
食前の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「河童」より 著者:芥川竜之介
りませんか?」
「そうです。国王の友だちだった革命家です。聖徒ワグネルは晩年には
食前の祈祷《きとう》さえしていました。しかしもちろん基督教よりも生活教の信徒のひ....
「海底都市」より 著者:海野十三
ぶん歩かせるじゃないか」 僕はたまらなくなって、タクマ少年に耳うちをした。 「
食前には正常な歩調で姿勢を正しく歩くとたいへん消化力が強くなるから、こうして歩く....
「紅玉」より 著者:泉鏡花
に、腹へ底を入れておく相談にはなるまいかな。何分にも空腹だ。 二の烏 御同然に夜
食前よ。俺も一先に心付いてはいるが、その人間はまだ食頃にはならぬと思う。念のため....
「異国食餌抄」より 著者:岡本かの子
夕
食前の小半時、巴里のキャフェのテラスは特別に混雑する。一日の仕事が一段落ついて、....
「街はふるさと」より 著者:坂口安吾
を語った。 「ゆうべ、おそく、東京から電話で、そのことはきいていたよ」 まだ朝
食前の長平もビールをのみはじめた。 「どんな人生だって、同じことだろうよ。聖処女....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
一番では海舟邸の朝詣りが間に合わないから、虎之介が慌てて海舟邸へかけつけたのは夕
食前だ。その時間が訪問に不都合だなどと云っていられぬ。 しかし、それから二時間....
「貞操問答」より 著者:菊池寛
……」準之助氏は、新子をうながすように、小径を先に立って歩きながら、 「じゃ、朝
食前に、小太郎に読み方と算術を教えて下さい。そして、十時に女の子の勉強を見て頂い....
「二都物語」より 著者:佐々木直次郎
は、彼が朝食に向った時にも、ちっともよくなっていなかった。彼はクランチャー夫人が
食前の祈祷をするのを特別の憎悪の念をもって憤った。 「やい、人に迷惑をかける奴め....
「明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
えて、殆ど悪条件を気にかけていなかった。 そして朝の十時ごろはじまった将棋は夕
食前からもう乱戦という非常に激しいチャンバラ将棋になってしまった。 升田は自分....
「中毒」より 著者:織田作之助
どの場合、右手にスプーン、左手に煙草、右手と左手をかわるがわる口へ持って行った。
食前、食間は勿論である。入浴する時は、まず新しい煙草に火をつけるほか、耳にも新し....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
ときものはさらに安置せず。ゆえに、朝夕礼拝を行うことなし。ただ国教宗の家にては、
食前に誦すべき文句あり。これを晩食のとき、食卓に対して口誦するを例とす。 宗派....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
過飲泥酔は一人もなく、喧嘩口論も一回も聞かざりしは賞賛すべき美風である。また、晩
食前には必ず顔を洗い、髪をくしけずり威儀を整え、また毎朝必ずひげをそるも美風であ....
「とと屋禅譚」より 著者:岡本かの子
た。僧は上り框に腰かけて、何の恥らう様子も無く、悪びれた態度もなく、大声をあげて
食前の誦文を唱え、それから悠々と箸を執った。その自然の態度を見入って居た女は何を....
「ひとりすまう」より 著者:織田作之助
ては咳をこらえることは、窒息しそうになる位苦しいものだった。 その夜が明けて朝
食前。明日子が湯に行った隙に轡川はぼくの部屋に来て、未だ寝床の中にはいっているぼ....
「夏日小味」より 著者:北大路魯山人
につくる場合、大概はその皮を剥いて捨ててしまうものであるが、その捨ててしまう皮を
食前一時間、糟味噌に漬けて、それで一番美味く漬けもの通になりすまそうというのであ....