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「食味〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

食味の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
食魔」より 著者:岡本かの子
だねばねばした感じから、鶫の腸の塩辛のようにも思う。鼈四郎はわたりの風趣を強いて食味に翻訳して味わうとではないが、ここへ彼は来ると、裸麦の匂いや、鶫の腸にまで染....
岡本一平論」より 著者:岡本かの子
つ四つも明けるという風で、凡て、徹底的に嗜好物などにも耽れて行くという方でした。食味なども、下町式の粋を好むと同時に、また無茶な悪食、間食家でもありました。 ....
水垢を凝視す」より 著者:佐藤垢石
ない。そして、肉がやわらかでおいしくないのである。鮎という形を備えているのみで、食味としては劣等品である。 二寸、三寸の小さい頃は主として動物質の餌を食べてい....
季節の味」より 著者:佐藤垢石
劣味となる。魚も獣も同じである。七、八両月に釣った鰔は、肉落ち脂去って何としても食味とはならない。十二月過ぎてからとった鹿は、肉に甘味を失って珍重できないのであ....
香魚と水質」より 著者:佐藤垢石
はあるまいか。だが、筆者は既に中老、性の方面はドライの域に入りて数年、いまはただ食味の方面のみ、人生の造営を眺めているのである。 大根、菜、芋、茸などの姿を眼....
採峰徘菌愚」より 著者:佐藤垢石
す通り、塩をふって生きているままを食うのに越したことはないのである。そこでまあ、食味のことは巣を採ってから、お互いに賞翫することにして、食うことよりも巣を発見す....
すっぽん」より 著者:佐藤垢石
』 と、悔やんだのである。そんな古い記憶があったから、その後長い間、すっぽんの食味に興を惹かなかったのであるが、先年京都千本通りの大市ですっぽんの羮を食べたと....
那珂川の鱸釣り」より 著者:佐藤垢石
てだ。その後、東京湾口の落ち鱸釣りに、それ以上の数を釣ったことはあるが、落ち鱸は食味が劣っているから、盛期の川鱸釣りの興趣に比べれば、まるで問題にならない。私の....
榛名湖の公魚釣り」より 著者:佐藤垢石
から東京市中へ出てくるものは、形の小さい上に渋味が強く、色が黒ずんでいて、上等の食味を持っているとはいえない。 ところが榛名湖の公魚は、丈は長い上にまるまる肥....
姫柚子の讃」より 著者:佐藤垢石
は気品が乏しかったのである。肉がやわらかで、肌の色に清快を欠いている。もちろん、食味は上等とはいえない。 鮎が立派でないのは、この川の姿が物語っているのである....
氷湖の公魚」より 著者:佐藤垢石
、鮎などの天然の産か養殖ものか、網でとったものか釣ったのか、などということは少し食味に通じた人ならば舌先で分ける。 そこで想い出すのは公魚である。公魚は氷魚と....
美食七十年の体験」より 著者:北大路魯山人
木下の『美味求真』、大谷|光瑞の『食』、村井|弦斎の『食道楽』、波多野承五郎の『食味の真髄を探る』、大河内正敏の『味覚』など、それぞれ一家の言を表わしてはいるも....
洗いづくりの世界」より 著者:北大路魯山人
のとした白さをもち、大半透明なところで打ち止めている。その肉の色を見ただけでも、食味の機能はおのずから動き出ようとする。しかし、これも都会にいては話に聞くだけの....
日本料理の要点」より 著者:北大路魯山人
然天然によって生ずるところの季節にのみ得らるのをよしとする論、これは誰しも、少し食味について経験のあるものなら、はたと膝打って、そこに気付き、季節の香味を尊重し....
道は次第に狭し」より 著者:北大路魯山人
ずという連中であるが、その中には学者もいれば、料理専門家もいるが、これでは正しい食味評論家とは言えない。そんなわけで、もともと自分の舌で正しく美味不美味を判断す....