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「食器〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

食器の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
からないで、どてらを引っかけたまま火鉢《ひばち》のそばにうずくまっていた。葉子は食器を台所のほうに運びながら、来たり行ったりするついでに倉地と物をいった。台所に....
星座」より 著者:有島武郎
ん》をねじ上げた。その釣りラムプの下には彼の見慣れたチャブ台の上に、小さずくめの食器がつつましく準備されていた。小母さんを見、おぬいさんを見、その可憐なチャブ台....
浜菊」より 著者:伊藤左千夫
落つきかねた心の不安が一層強く募る。尻の据《すわ》りが頗《すこぶ》る悪い。見れば食器を入れた棚など手近にある。長火鉢に鉄瓶が掛かってある。台所の隣り間で家人の平....
深夜の市長」より 著者:海野十三
うな土窟であった。壁も天然の土壌であるけれど、そこに棚のようなものを刳りぬいて、食器らしいものがゴタゴタと並べてあった。 「さあ、見せて貰うか。――」 始めて....
蠅男」より 著者:海野十三
結果、帆村の云ったとおり、はたして秘密倉庫が地下に発見せられた。それは、勝手許の食器棚のうしろに作られていたもので、ボタン一つで、自由にあけたてできるようになっ....
少年探偵長」より 著者:海野十三
診察にゆくように思われる。老人は、ずっと身体がよくないのであろう。ある日の夕方、食器を下げるために、小竹さんがまわってきた。いつものように頬かぶりをし、その上に....
怪星ガン」より 著者:海野十三
どは、またいっそうハイロのさけび声がはげしくなった。そして家具ががたんとたおれ、食器ががらがらとこわれるたいへんな物音がした。 「た、助けてくれ、助けてくれ」警....
地獄の使者」より 著者:海野十三
とテーブル・クロスだけになってしまった。 「検事さん。これで全部ですね」 食料食器の収集を手伝っていた大寺警部がそういった。 「そう。それで全部だ」 と、検....
転機」より 著者:伊藤野枝
夜具や着物などが片隅みに押し寄せてあって、上りかまちから土間へかけて、いろいろな食器や、鍋釜などがゴチャゴチャにおかれてある。土間の大部分は大きな機で占められて....
銀座は昔からハイカラな所」より 著者:淡島寒月
舶来の物を種々雑多取り交ぜて、また新古とも売っておりました。例えばランプもあれば食器類もあり、帽子もあればステッキのようなものもあるといった具合で、今日のように....
わが妻の記」より 著者:伊丹万作
妻のもののしまい方は普通の世間並とは大分違う。普通の人なら大概たんすにしまう品が食器棚にはいつていたり、流しの棚にあるはずのものが冷蔵庫にしまつてあつたりする。....
スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
心で、ふだんは居間になっているところだった。ここでは、ぴかぴか光る白鑞の器が長い食器戸棚にいく列も並んでおり、目も眩いほどだった。一隅に羊毛の大袋があって、紡ぐ....
穂高岳槍ヶ岳縦走記」より 著者:鵜殿正雄
後この小屋で休泊するものは、大いに便利だろう、何か適法を設け、各処の小屋の修理や食器等の備え付をしたいものだ。此処で残飯を平らげ、鞋の緒をしめ、落合の小屋「信濃....
罪人」より 著者:アルチバシェッフミハイル・ペトローヴィチ
ャツの扣鈕を嵌めていると、あっちの方から、鈍い心配気な人声と、ちゃらちゃらという食器の触れ合う音とが聞える。 「あなた、珈琲が出来ました。もう五時です。」こう云....
私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
と蝋石の塔が見える。あらためて部屋の中を見回すと、ふとん代わりのドンゴロスの袋、食器に使うゆがんだバケツ……。旅路の果てのどん底の生活であった。 私には、人間....