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食塩
「食塩〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
食塩の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「少年の悲哀」より 著者:国木田独歩
す船は数こそ少ないが形は大きく大概は西洋形の帆前船で、その積み荷はこの浜でできる
食塩、そのほか土地の者で朝鮮貿易に従事する者の持ち船も少なからず、内海を行き来す....
「世相」より 著者:織田作之助
は思わず噴き出そうとした途端、げっと反吐がこみあげて来た。あわてて口を押え、 「
食塩水……」をくれと情ない声を出すと、はいと飲まされたのは、ジンソーダだ。あっと....
「青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
たちはその竈の下に高粱の枯枝を焚いて唐もろこしをあぶった。めいめいの雑嚢の中には
食塩を用意していたので、それを唐もろこしに振りかけて食うと、さすがは本場だけに、....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
も流石に驚駭の色を現わして突立上った。 大島主任が昏々として無意識状態となり、
食塩注射によって、辛じて生死の間を彷徨しているその日の午後、石子、渡辺両刑事は又....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
いましたよ。その後はどうでしたでしょう」 「その後のことは記憶しません」 「茶に
食塩を入れるのは、いつごろからの習慣ですか」 「私が当家に嫁しましたとき、すでに....
「春昼」より 著者:太宰治
ど。いちど、でも、あの卵のかたまりを見ちゃったので、――離れないの。」 「僕は、
食塩の山を思い出すのだが。」これも、あまり風流とは、言えない。 「蛙の卵よりは、....
「潜航艇「鷹の城」」より 著者:小栗虫太郎
。 すると、法水は食器棚の中から、取り出した水を鍵孔に注ぎ込み、その中に、氷と
食塩で作った寒剤を加えたが、そうしてややしばらくするうちに、鍵金の外れる音がして....
「外米と農民」より 著者:黒島伝治
トロ火でやわらかくそしてふきこぼれないようにたいてみた。 小豆飯にたいてみた。
食塩をいれていく分味をつけてみた。 寒天をいれて、ねばりをつけた。 片栗をい....
「髭の謎」より 著者:小酒井不木
には、血痕の中の赤血球の形を検べても分かりますが、それよりも確かな方法は、血痕を
食塩水にとかしてそれと「沈澱素」というものを混ぜ合わせ沈澱が起こるか否かを見るの....
「「心理試験」序」より 著者:小酒井不木
説の持つ、怪奇と恐怖と諧謔の味を享楽する丈で十分ではないか。蛋白質と澱粉と脂肪と
食塩と水とビタミンさえあれば、味などはどうでもかまわぬと言われたら、どんなにか物....
「百喩経」より 著者:岡本かの子
載しては無い。本文は全部|其処からヒントを得た作者の創作である。 愚人
食塩喩 塩で味をつけたうまい料理をよそで御馳走になった愚人がうちへ帰って塩ばかり....
「墓が呼んでいる」より 著者:橘外男
で拵えた温泉だったのかも知れません。泉質はリューマチを患っている祖父に、一番効く
食塩泉だというのです。 「温泉があって、泉質がいいばっかりに、発掘権を手に入れて....
「空中征服」より 著者:賀川豊彦
を一枚減らして質屋に持って行き、それで、ようやく、薬代の四分の一だけを作ったが、
食塩注射を一本してもらいたいと言うと「一本五円だから、それを承知の上で」と言う。....
「ひとりすまう」より 著者:織田作之助
暫く呆然としていたらしいが、やがて海水を手ですくって、ぼくの口にのませてくれた。
食塩水が止血に効くことを知っていたのだろう。綺麗な手だった。しなやかで色が白かっ....
「妖影」より 著者:大倉燁子
思った。しかしそうではないらしい。何故というのにソースの瓶を取ろうとしてはやる。
食塩を取る時もやる。胡椒、果物、何の時でもやるからだ。余り目まぐるしく繰返すので....