食意地[語句情報] » 食意地

「食意地〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

食意地の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
夫婦善哉」より 著者:織田作之助
た。好みの味にするため、わざわざ鰹節けずりまで自分の手でしなければ収まらぬ柳吉の食意地の汚さなど、知らなかったのだ。担ぎ屋も同感で、いつか蝶子、柳吉と三人連れ立....
坑夫」より 著者:夏目漱石
相手の長蔵さんがまた申し合せたように右左と覗《のぞ》き込むので、こっちはますます食意地《くいいじ》が張ってくる。自分はこの長い町を通りながら、自分らに適当と思う....
吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
なら、立町は豚仙《ぶたせん》さ、あのくらい食い意地のきたない男はなかったが、あの食意地と禅坊主のわる意地が併発《へいはつ》したのだから助からない。始めは僕らも気....
食魔」より 著者:岡本かの子
こころに鼈四郎がいい捨てた言葉の切れ端が蘇って来る。「世は遷り人は代るが、人間の食意地は変らない」「食ものぐらい正直なものはない、うまいかまずいかすぐ判る」「う....
初蛙」より 著者:薄田泣菫
ざけと無遠慮とが出来るものでしょう。大きな口と下っ腹とを御覧なさい。地から生れた食意地の張った大食漢でなくって、誰があんなものを持っているでしょう。実際あの大き....
正岡子規」より 著者:夏目漱石
正岡の食意地の張った話か。ハヽヽヽ。そうだなあ。なんでも僕が松山に居た時分、子規は支那....
都会地図の膨脹」より 著者:佐左木俊郎
て、工場が出来たからって工場からは食うものが出来めえ? そう云うと俺ばかり馬鹿に食意地が張ってるようだが……」 「工場から、食う物は出来ねえか知んねえが、俺、工....
空襲警報」より 著者:海野十三
、漂白粉を入れた水で、外をよく洗ってもっておいで」 「まあ、あなた、……そんなに食意地をおはりになるものではありませんわ」 「ばかをいっちゃあいかん。意味なく恐....
大阪発見」より 著者:織田作之助
で、ほっと一安心して、さて「めをとぜんざい」でも、食べまひょか。 大阪の人々の食意地の汚なさは、何ごとにも比しがたい。いまはともかく、以前は外出すれば、必ず何....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
がこんなことを言いながら、町を通る京女の姿を見廻しました。 「この野郎、よくよく食意地《くいいじ》が張っていやがる」 七兵衛は、こう言って苦笑《にがわら》いを....
不肖の兄」より 著者:豊島与志雄
らそのように、先ず品行から……その、生活から立て直さなくちゃいけない。」 兄は食意地が張っていた。いい加減酔ってるくせに、皿のものをみな平らげ、鍋のものを盛に....